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コチア青年慰霊祭=総領事が茶室工事協力を約束=昨年の物故者50人超

2024年9月26日

椿の苗を記念植樹する(左から)広瀬会長、清水総領事、淳子夫人
椿の苗を記念植樹する(左から)広瀬会長、清水総領事、淳子夫人

 コチア青年連絡協議会(広瀬哲洋会長)は21日午前9時45分から、サンパウロ州サンロッケ市の国士舘大学スポーツセンター内「コチア青年の広場」で慰霊祭を行った。
 清水享サンパウロ総領事、淳子夫妻は午前9時30分に到着し、広場内にある茶室「村田庵」を視察した。広場の手入れを続けている西川忠雄役員の説明を聞いて被服工事の必要性を認識し、総領事夫妻と広瀬会長3人で椿の記念植樹を行った。
 慰霊祭は浄土宗正葉山高徳院イビウーナ日伯寺の櫻井聡祐主任開教使が法要を行い、約60人が参加した。
 折からの激しい雷雨も収まり、すがすがしい気候の中で厳かに読経が行われ、鈴と鉦の音が国士舘の森に染み渡っていった。櫻井開教使は読経後、去年の9月以来、仏の世界に旅立ったコチア青年は50人以上に上ると報告。「動物は死んで残るものにより数えられる。魚は一尾、二尾、牛馬は一頭、二頭。人は名を遺し一名、二名と数えられる」と死者の遺徳を偲び、出席者の涙を誘った。
 法要挨拶に立った清水総領事は「昨年11月の総領事就任以来、妻と管轄のサンパウロほか各州の移住地を多く回りました。どこへ行っても、コチア青年の活躍の跡があり、その名が轟いておりますことに、敬意と感謝を申し上げます」と述べ、「妻ともどもお茶をたしなみますので、協力できることはさせていただきます」と被服工事とコチア青年の遺族、連絡協議会の悲願にも理解を示し、新たな夢と希望を与えた。
 最後に出席者全員が白菊を一本一本手に取り、天に向けて捧げた後、花台に供えた。

慰霊祭の様子
慰霊祭の様子

 法要後、ブッフェ奄美に移動し、「長寿祝賀会」を行い、約100人が参加した。
 西川役員の音頭で乾杯し、ブラジル日本文化福祉協会の国井ジェルソン国士舘委員会委員が挨拶。続いてサンパウロ日伯援護協会(援協)の菊地義治評議員会会長が「援協はコロニアで一番小さく、貧乏な団体でしたが、コチア青年の協力で今の姿がある」と感謝を述べた。ブラジル日系熟年クラブ連合会の辺原良子会長が挨拶し、ブラジル日本都道府県人会連合会の谷口ジョゼー眞一郎会長は「コチア青年連絡協議会が創立されて早69年が過ぎました。コチア青年には野心に溢れた男たちが多く、成功者も多く出ました。彼らは常に固い絆で結ばれ、その積み重ねが今日のコチア青年連絡協議会に至っています。歴代会長、会員の努力はもちろんですが、このように盛大な式典が行われるのは広瀬会長をはじめとする皆様のご努力と改めて敬意を表します。長い道のりをたどったコチア青年たちは現在、80代から90代となられていますが、いまも社会のために貢献しておられます。顧みれば、1955年、109人の若者がサントス港に上陸し、コチア産業組合員の農場に向かいました。4年間の義務労働を終え、独立してアチバイアで花卉栽培をしたり、ピラール・ド・スールでブドウをはじめとする果樹栽培に従事し、セラードで大豆生産農場を経営する優秀な人材も出しております」とコチア青年の歴史を紹介した。

コチア青年連絡協議会創立69周年を祝うケーキの前に立つ長寿者たち
コチア青年連絡協議会創立69周年を祝うケーキの前に立つ長寿者たち

 その後、今回で来伯23回目となるテノールオペラ歌手の田中公道さんが美しい歌声を披露。長寿者17人の表彰が行われた。


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