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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=48

2024年9月28日

 サンパウロ州の日本人は一万人を越していた。その連絡中心地はサンパウロ市である。小さいながら日本人社会が誕生していた。
 赴任した松村は各方面の日本人と精力的に接触した。 
 といっても、古株の藤崎商店の後藤武夫を中心に小さくまとまった社会である。後藤が紹介する人物に会えばいい訳だった。
出張所の家具も後藤が競売所で買い込んで来たのだった。
所用でサンパウロ市に来た運平が松村に会ったのは、総領事が赴任した約一ヵ月後のことである。
「松村だが、会いたい」
 とホテルに電話が掛ってきた。後藤に聞いたらしかった。
 出張所があるアウグスタ街は、ホテルから歩い...

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