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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=54

2024年10月8日

 一帯の大地主のビッセンテ・ギマランエスとバウルーで会えた。彼は現地の支配人のオットーと話をするように言った。
 今朝バウルーを出て五時間はど汽車に揺られてペンナに着いたが、ずっと原生林が続いていた。しかも、ここは地図でみるとノロエステ線のほんの入口だった。まったく果てしのない大地だった。
 若者と共に十分ほど馬を進めると、森の径が広げて農園があった。豆やトウモロコシが植っていた。さほどの出来とは思えない。手入れが悪いのだ。
 作男の家らしい板小屋が五、六軒あり、奥に練瓦建てのどっしりした家があった。
 出て来たのは赤ら顔の大男である。一目でドイツ系と分る顔...

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