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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=55

2024年10月9日

 「どうした?怖いか」ニヤッと笑った。
 こいつ狂人か。……本当にピストルが上手いのだろうか。もし下手クソだったら、俺は殺されるか、こいつみたいに片輪になるそう思ったが仕方ない。
 「いや」
 と首を振った。彼は指示された木の下に立った。振りむいて葉巻をかかげると、オットーはピタリとピストルを運平の胸に向けた。一瞬、運平はハッとしたがオットーは平気な顔で銃口をそろそろ移動させた。
 タン!
 乾いた音が炸裂して、手の葉巻がすっ飛んだ。
 「ウハハハ……」
 腹をゆすって大男は哄笑した。
 「お前はチビだが勇気がある。大低の奴は俺がピストルを持って睨む...

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