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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=63

2024年10月22日

 洗濯は河でしたが、岸辺に横たわっていた茶黒色の丸いものをヤシの倒木だと思って足場にしたら、ズルズルと動き出したので気絶した女もいた。向うの草の中から胴の太さの割には小さい鎌首が隆起してこちらを睨んだかどうか?彼女の記憶は定かでない。とにかく、足許の丸太が動き出した瞬間、ヘビの上にいると気付き目前の風景が一回転しながら暗くなり、意識がなくなった。
日本刀を持っていた男もいて、それを振りかざして大蛇と闘う勇ましい場面もあった。もっとも闘かうというのは、後になって酒を飲みながらの本人の表現で、他の人の目には、大蛇が怒って向って来たらすぐ逃げ出す決心が腰を後に突き出して...

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