プーチン=ジルマ総裁続投を推奨=BRICS銀行人事で

【既報関連】ロシアのカザンで開催されていたBRICS首脳会議の議長を務めたプーチン大統領が24日、来年からの新開発銀行(通称BRICS銀行)総裁はブラジルが務めるように勧めたことと、現総裁のジルマ・ルセフ元大統領の続投を希望していることを明らかにしたと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
新開発銀行総裁は5年毎に交代する約束で、ジルマ氏の任期が切れる来年7月以降の総裁はロシアが選ぶ予定だった。
だが、プーチン氏は首脳会議終了後の記者会見で、「ロシアはブラジルが次の5年間も総裁職を務めることとジルマ氏続投を提案した。ブラジルは今年のG20議長国で、来年はBRICS議長国を務める」と語り、ロシアは総裁を送らないとの意向を示した。また、ロシアは現在、ウクライナと紛争中のため、新開発銀行総裁にロシアの指導者が就任すれば同行の経営に問題が生じ得ると発言。「私達がその発展に関心を持っている機関にロシアに関連する問題を持ち込むことは望まない」とも述べた。
ジルマ氏はボルソナロ前大統領が指名したマルコス・トロイジョ氏の後任として、23年3月に同行総裁に就任。同行は現在、約100件のプロジェクトに総額約330億米ドルの資金提供を受けている。同行はブロック諸国とグローバル・サウスへの投資拡大というBRICSの戦略の中心的な役割を担っている。
ジルマ氏は今回の首脳会議に参加するにあたり、グループの拡大と各国への資金提供での現地通貨の使用を擁護。「これまでに行ってきた投資はBRICS諸国のニーズに十分ではなかった。特定プラットフォームを通じた現地通貨での融資提供が重要」「新開発銀行は政府のプロジェクトだけでなく、民間部門のプロジェクトへの融資にも尽力している」とも語っている。