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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(39)

2024年10月26日

 ところが、翌一九一五年、新たな入植者が三十数家族もあった。グァタパラからの後続組である。それ以外から来た者もいた。その中に下元という高知県人の一家がいた。前年、渡航、サンパウロ州西南部を走る奥ソロカバナ線沿線のファゼンダに入ったが、
「米の飯を食べれば、借金ができるので、マンジョカやさつま芋を主食にする有り様。契約期間の一年が終わると、直ぐ出てきた」
 ということであった。
 その下元家に一人の若者がいた。当主の実弟で健吉といい、十七歳だった。これが十数年後、コチア産業組合の創立に加わり、さらに、その牽引車となってブラジル最大の産組に育て上げる。が、この頃は...

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