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ルーラ暗殺計画=「1964年のような雰囲気を」=容疑者携帯に不穏な発言記録=前大統領「クーデターは非現実的」

2024年11月27日

フェルナンデス容疑者(Reproducao)
フェルナンデス容疑者(Reproducao)

 2022年の大統領選当選直後のルーラ氏らの暗殺計画を立てた主犯として逮捕された、元大統領府秘書室ナンバー2の陸軍予備役少将マリオ・フェルナンデス容疑者の携帯電話での言動記録が次々と報じられている。それらの記録は大統領選直後の抗議運動との関連の強さや、クーデターへの強い意欲を感じさせるものだったことから、注目度が高まっている。

 フェルナンデス容疑者の携帯電話での言動記録は、大統領選決選投票翌日の2022年11月1日から始まっている。 同容疑者は選挙結果に憤慨し、証拠もなく、ルーラ氏の連立名簿(シャッパ)の当選を不正と決めつけ、「ボルソナロ氏はまだ(ルーラ氏の勝利を)明確には宣言していない。このような馬鹿げた事態に対抗するために、我々にしばしの時間をいただきたい」と発言している。(1)
 翌2日には、同容疑者がブラジリアの軍施設前で抗議活動を行う抗議者たちと共に語らう姿が写真に収められている。この写真は、連邦警察から嫌疑をかけられるきっかけの一つにもなっている。(2)
 また、フェルナンデス容疑者は農業関係者やトラック運転手の組合に対し、大統領選への抗議の意味でトラクターやトラックを駐車させるよう勧めた疑いも持たれている。(3)
 フェルナンデス容疑者は11月4日、これらの抗議活動に関し、大統領府秘書室長官だったエドゥアルド・ラモス氏に対し、「高官たちと一緒に、アルゼンチンのインフルエンサーが唱えている電子投票の不正疑惑に耳を傾けてほしい」と進言している。(4)
 同容疑者は同日、「高官たち、少なくとも陸軍関係者は介入には消極的だ」と当時の軍の状況を嘆き、「それならばまずは民衆から始めなくては」と語り、「通りに大量の人々を集め、街に繰り出させるのだ。高官たちもそれを望んでいるはずだ。1964年のような雰囲気を」と、軍事クーデターの起こった年号を持ち出し、反民主的行為に強い意欲を見せていた。
 11月10日、同容疑者は、当時のボルソナロ大統領の側近だったマルセロ・カマラ氏に対して、「昨日(9日)、大統領に考えていることを進言したんだ。国防相を替え、(ボルソナロ氏の副候補だった)ヴァルテル・ブラガ・ネット氏を据えたらどうかと。ブラガ・ネット氏は怒りに燃えている。より効果的だぞ」と語っている。
 当時のパウロ・セルジオ・ノゲイラ国防相は大統領選前に執拗に電子投票機の性能を疑い、軍による監査も申し入れていたが、一部を除いて却下されていた。(5)
 同容疑者はその後も、カマラ氏に対して、「卵を割らなければ、水晶を壊さなければ何も起こらないのだ。国民の支持に不足はないのだ」と、違法行為を厭わないことを思わせる発言を行っている。
 フェルナンデス容疑者は11月15日にはラモス長官に対し、「ボルソナロ氏に立ち上がることをけしかける軍人の話を聞かないようにさせてほしい」とも頼んでいる。
 ルーラ氏暗殺計画で逮捕された軍人4人がブラガ・ネット氏の自宅に集まって計画を練り始めたのは、この2日後の11月12日のことだった。
 ボルソナロ氏は25日、記者団からの質問を受け、「仮に私がおかしなことをしたとしよう。 翌日のブラジルはどうなっているか? 世界中から障壁が立ちはだかり、地獄と化すだろう。 誰もそんなことは望んでいない。 クーデターなんて非現実的にもほどがある。 現役と予備軍の5人でクーデターだって!?あり得ない。 クーデターとは時の権力に対するものだから、年末ならルーラはまだ就任していない。もしクーデターが起きていたら私に対してだ」と反論した。(6)


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