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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(61)

2024年11月29日

 その一人を大石小作といった。歳は壮年期に入っていた。もとは鐘紡の技師長であったが、それを捨てて、世界放浪の旅に出た。欧米を経由、ブラジル入りし、サントスで博奕をうって遊んでいるとき、アマゾンにグァラナーという不老長生に効く植物があると聞き、現地へ足を伸ばした。一九二六年のことである。
 大石は、アマゾーナス州東部のマウエスで、グァラナー栽培の適地を見つけ、州知事から州有地のコンセッソンを受ける内約を貰った。
 日本に帰り、沢柳猛雄という元海軍佐官と組み、一九二八(昭3)年、アマゾン興業㈱を設立する。これが通称「アマ興」である。同社でマウエスへの入植・出資の希望...

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