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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(68)

2024年12月10日

 日本病院

 二十五周年の記念行事の中で最大のものは「日本病院」の建設決定と定礎式であった。当時のブラジルでは「一流の水準と規模」の総合病院が設計されていた。
 ここで邦人社会の医療問題に少し触れておく。
 これより十二年前、時のサンパウロ総領事の藤田敏郎が、邦人の入植地の視察をした。その折、藤田は保健衛生状態の余りの悪さに衝撃を受けた。
 それから暫くして行なわれた実態調査によるとマラリア、結核、フェリーダ・プラーヴァ=森林黴毒=、トラホーム、腸チフスが蔓延していた。十二指腸虫、精神病、ピンガ中毒も多かった。
 入植地の中には、調査対象者の半数以上が罹病...

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