商議所忘年会に200人=日伯外交に発展の一年

ブラジル日本商工会議所(小寺勇輝会頭)は12日、サンパウロ市のブルーツリートランスアトランチココンベンションセンターで忘年会を開催した。会員企業代表者や特別参加者の在サンパウロ総領事館の清水亨総領事を含む200人以上が参加し、華やかなクリスマスシーズンの雰囲気の中で一年の労をねぎらった。
冒頭のあいさつで小寺会頭は、最初に今年は日伯ともに自然災害の多い年であったことを振り返った。日本では元旦の能登半島地震、ブラジルでは4月にリオ・グランデ・ド・スル州の大洪水ほか深刻な干ばつによる火災の発生など、人々の生活やビジネスに大きな影響を与えたことに哀悼と見舞いの意を表明した。また、世界的な選挙の年となり、ブラジルでは10月の市長と市議会議員選挙において、2月の懇親昼食会で講演を行ったリカルド・ヌーネス市長が再選を果たしたことを祝した。
日伯の外交関係では発展性が見られ、5月に来伯した岸田文雄前首相による「グリーン成長と環境保護に関するパートナーシップ(グリーンパートナーシップ)」の強化が重要な成果の一つとして発表され、11月には石破茂首相がルーラ大統領と協議を行い、メルコスールとの経済連携強化を目指す枠組みについて合意した。商議所はこれらの成果を受け、「経済連携協定(EPA)」の早期実現に向けた取り組みの一助として注力する意向である。

清水総領事は、今年、多くの日本自治体のトップ級が訪伯したことを挙げ、日系社会と各県の関係維持とその努力の重要性を強調。「ブラジルでの等身大のビジネス活動を日本に正確に伝えることが、相互理解と認知向上につながる」と述べた。
来年の日伯修好通商条約130周年を前に、今から活発な交流も見込まれている。特にルーラ大統領やフレイタスサンパウロ州知事の訪日が予定されている。大阪市と姉妹都市であるサンパウロ市のヌーネス市長も大阪万博に合わせて訪日への関心を寄せている。

乾杯の音頭を取った中村茂雄副会頭は、先月のアゼルバイジャンでのCOP29参加経験を紹介。通常7000円で宿泊できる施設が7万円に値上がりしていたことから、「環境に優しいが懐に厳しい」というユーモアで会場を沸かせ、来年のブラジルでのCOP30でも起こりうる事態を予測した。

食事中には、国際的な舞台で高い評価を受けているブラジル出身のマジシャン、マリオ・カミアさんのマジックショーで盛り上がり、27社が提供した景品による抽選会も開催された。
最後は弘中真相互啓発委員長・理事委員長が、「ブラジルの力強さとさらなる発展」を祈願し、参加者全員が笑顔で一年を締めくくった。