デング熱蔓延で対策急務=緊急対策センターを設置


保健省が9日、他省庁や連邦及び地方自治体、研究者、科学機関との対話を通じてデング熱その他のアルボウイルスに対する計画や対応を調整するための緊急対策センター(COE)を設置したと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
COEの設立目的は、デング熱流行前に医療ネットワークを強化すること、感染や死亡リスクを減らす対策、連邦・地方自治体が予防措置を強化する支援、危機的状況に対応できるような国家的な連携構築などだ。
保健省は同時に、デング熱やチクングニヤ熱、ジカ熱に対応するため、ウォルバキア法と呼ばれる増殖を防ぐバクテリアを組み込んだネッタイシマカ放出の対象市を25年までに40に増やす、先住民族居住地への不妊虫移植、学校や老人ホームなどの人が多い施設での殺虫剤散布、幼虫駆除剤散布ステーション15万ユニットの導入などの6項目からなる新国家計画や、今年使用するデング熱の予防接種ワクチン950万回分を購入したことも発表した。
24年は感染者が660万人、死者が6041人で共に新記録を更新。今年も既に、症例報告が1万100件、死因を確認中の死者も10人出ているという。
9日付アジェンシア・ブラジル(2)によると、同日はサンパウロ州、ミナス州、アマパー州、パラナ州でデング熱血清型3の陽性検査が増えているとの報道もあった。拡大は12月の最後の4週間を中心に報告されており、リオ州でも州外在住者の3型感染が確認された。3型は08年以降感染例が減り、国民の大部分には免疫がないため、感染が広がる可能性がある。
なお、10日付アジェンシア・ブラジル(3)では、サンパウロ州では21市が緊急事態を宣言しており、1月に入ってからの2週間は疑似症を含む症例報告1万8100件中、4340件が真性と判明、残りは確認中、死因確認中の死者も30人と報じられた。
保健省もミナス、サンパウロ、エスピリトサント、ゴイアス、パラナ、サンタカタリーナの6州ではここ数週間の症例報告が約90%増加と報告しており、対策を急ぐ意向だ(10日付バンジニュースなど(4)(5)(6)参照)。