セメントの販売が増加=2年間の喪失取り戻す

全国セメント産業組合(Snic)が14日に発表した報告書によると、24年は前年を3・9%上回る6470万トンのセメントを販売し、残高は200万トンだったと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
販売が最も伸びたのは国内最小市場の北部で、10%増を記録した。消費量の10%強を占める南東部は2・8%増に止まった。同組合では、リオ・グランデ・ド・スル州での大水害や国土中央部での広範囲な干ばつといった異常気象の影響で売上の一部が鈍化し、一層の成長を妨げたと見ている。
同業界は22年に2・8%、23年に0・89%の減産を見たが、昨年はそれ以上に回復した。それでも、経済活性化計画(PAC)2でインフラへの投資が増えていた14年の7300万トンには至っていない。
同組合では、昨年の好業績は雇用増や継続的な所得改善、賃金上昇、持ち家政策のミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダによる工事再開に伴う不動産市場の活況が原因だという。
ただし、建設業界は金利や人件費の上昇、高水準の債務と債務不履行継続による投資阻害という圧力にも直面。雇用主協会は住宅金融のための財源削減と世帯収入への負担増、スポーツ賭博増加による家計への影響を、不動産業界は流通通貨の減少が新築物件や小規模な改修への投資減少を招くことを案じている。
なお、建設業界は現行PACのリソース解放の遅れを批判すると共に、ドル高が土木建設やインフラ投資に与える影響も懸念している。
Snicでは、今年上半期に入札が見込まれる住宅、衛生(水道事業)、物流プロジェクトへの計画投資との関連で、今年も約1%成長できると見ている。