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今も続く奴隷労働の摘発=30年間で6万5千人救出

2025年1月29日

奴隷労働で経営会社が罰金と業務停止処分を受けたマルクス・リンコ市長(Divulgação)
奴隷労働で経営会社が罰金と業務停止処分を受けたマルクス・リンコ市長(Divulgação)

 28日が「奴隷労働撲滅の日」であるため、26日以降、奴隷労働に関連するニュースや発表が続いている。
 奴隷労働撲滅のための啓もう週間開始を知らせたのは26日付アジェンシア・ブラジル(1)で、2004年にミナス州ウナイーで起きた、奴隷労働の調査のために赴いた監視員3人と運転手1人が農園主に殺され、ウナイーの集団虐殺と呼ばれた事件を紹介。それから17年を経てもなお、奴隷労働は後を絶たない。
 28日付オ・インパルシアルなど(2)(3)によると、ブラジルではここ30年間で8千件以上の奴隷労働摘発が行われ、6万5千人以上の労働者が救出された。労働省によると、2023年はここ14年間で最多となる3190人が598カ所から救出された。2024年は2593人が救い出された。
 蹂躙されていた労働者らに払われた賠償金額などは2003年以降しかとらえられていないが、それでも、労働手当や退職手当として、1億5500万レが支払われたという。奴隷労働の労働者救出は、労働省の特別移動検査グループや州労働局の部隊によって行われている。
 地理統計院(IBGE)の数字は労働省発表のものと異なり、奴隷労働状態から救出された労働者数は2020年の944人以降、1933人、2530人、3332人と増えた後、2024年は2004人に減った。パンデミックで告発や捜査も減った20年以降、経済活動などが正常化し始め、告発も増えていたという。細かい数字は異なるが、奴隷労働者の救出は農村部約70%、市街地約30%で、家庭内労働での告発例も報告されている。
 IBGEの数字を州別で見ると、救出者はミナス州500人、サンパウロ州467人、バイア州198人、ゴイアス州155人などと続き、人口や経済力の大きいミナス州や聖州の数字が目立つ。また、24年の100番電話による告発は3959件で、23年の3430件を上回った。
 労働検察庁(MPT)によると、奴隷労働や人身売買から救出された労働者の権利を保証するために締結された行動調整条件(TAC)は4年間で1728件に上り、360件の民事訴訟も起こしている。24年のTACは478件、民事訴訟は103件だ。
 MPTによると、24年7~8月は前年同期比で11・65%増の593人を救出したという(28日付オ・ジア(4)参照)。
 また、MPTや連警、連邦検察庁によると、24年の地方選で当選した市長1人と市議5人も奴隷労働で摘発され、罰金を言い渡されているが、役職遂行は可能だという。
 一例はゴイアス州アルト・パライゾデ・ゴイアスのマルクス・リンコ市長(ウニオン)で、同氏の木炭会社は2021年に15件の違反切符を切られ、3万4500レの罰金を科された上、業務停止処分を受けた。同社の場合、作業現場にはトイレもトイレットペーパーもなく、住居内も浴室などの劣悪な設備が目立っていたという(28日付G1サイトなど(5)(6)参照)。


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