site.title

ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(98)

2025年2月4日

 血気

 付記しておけば「下元健吉という人は生涯、血気が溢れていたが、若い頃は溢れ過ぎていた」と語り継がれてもいる。
 次の様な話もある。
 時期は組合の草創期の頃であるが、一日、サンパウロの市街地を車で走行中、路面電車にぶつけ「何故よけんか!」と、車掌に殴りかかり、その無茶ぶりを目撃していた市民たちに袋叩きにされたというのである。 
 これは無論、伝説で、真相は前方を塞いで止まった電車に「道をあけろ!」と怒鳴り、隣にいた車の運転者から「電車は居るべき場所におる」とたしなめられ、返す言葉がなかった…という程度のものであった。
 しかし路面電車に「道をあけろ...

会員限定

有料会員限定コンテンツ

この記事の続きは有料会員限定コンテンツです。閲覧するには記事閲覧権限の取得が必要です。

認証情報を確認中...

有料記事閲覧について:
PDF会員は月に1記事まで、WEB/PDF会員はすべての有料記事を閲覧できます。

PDF会員の方へ:
すでにログインしている場合は、「今すぐ記事を読む」ボタンをクリックすると記事を閲覧できます。サーバー側で認証状態を確認できない場合でも、このボタンから直接アクセスできます。

Loading...