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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(106)

2025年2月14日

 下元嫌いも…

 かくしてコチア産業組合は、日系社会最大の城郭となりつつあった。とすれば、下元健吉はその代表的指導者として推戴されるべきであったろう。しかし、そうはならなかった。何故か?
 実は、彼の無礼さが嫌われていたのである。外部の人間に対する礼儀、口の利き方は、組合の若い連中を相手にするのと変わらぬ乱暴さで、ために「下元なにするものゾ!」といった反感を生じさせてしまったのだ。
 無論、誰もが彼を、その事業面では評価していた。排日法の衝撃の中で、日系社会の新たな歴史の水流を形成しているのが産組であり、その先頭に立っているのがコチアである…とは解っていた。
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