サンパウロ市=「アインダ〜」作者迫害被害=カーニバルのブロッコ参加中

アカデミー賞ノミネート映画「アインダ・エストウ・アキ」の原作者のマルセロ・ルーベンス・パイヴァ氏が23日午後、サンパウロ市のカーニバルのブロッコに参加している最中に、何者かに物をぶつけられる被害に遭った。同日付G1サイト(1)が報じている。
マルセロ氏はこの日、サンパウロ市パウリスタ大通りと接するアウグスタ街で行われた「アカデミコ・ド・バイショ・アウグスタ」のブロッコに、オマージュの対象として招待を受けて参加していた。足の不自由なマルセロ氏は車椅子に乗った上、顔には「アインダ」の主演女優フェルナンダ・トーレスのお面をかぶっていた。
だが、マルセロ氏が顕彰される前、ブロッコ側の人々と言葉を交わしていると、突然、何者かが同氏の顔にリュックを投げつけ、ビールの缶やTシャツなども投げ込んできた。マルセロ氏にけがはなかった。
「これまでに16回、ブロッコのパレードに参加しているが、こんな暴力を受けたのは初めてだ。ブラジルは難しい。きっと映画を見てないんだな」とマルセロ氏は語っている。
「アインダ・エストウ・アキ」は、マルセロ氏が自身の父親で元下議のルーベンス・パイヴァ氏が1971年に軍事政権に誘拐され、殺害された実話に基づいた、当時の一家についての物語で、劇中にも少年時代のマルセロ氏が登場。主役は同氏の母親のエウニセ氏だ。この映画は、母親役を演じたフェルナンダ・トーレスの主演女優賞を始め、3部門でアカデミー賞にノミネートされている。
この映画が大成功したこともあり、最高裁は今月、ルーベンス・パイヴァ氏の事件にも適用されていた恩赦法に関し、遺体遺棄に関与した軍人への恩赦適用の有効性に関する審理を改めて行うことを判事の満場一致で決めている。(2)