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米アカデミー賞=ブラジルに悲願のオスカー=国際長編映画賞を獲得

2025年3月6日

[caption id="attachment_442780" align="aligncenter" width="364"]「Ainda Estou Aqui」で悲願を達成したサレス監督
(RS/Fotos Publicas) 「Ainda Estou Aqui」で悲願を達成したサレス監督 (RS/Fotos Publicas)[/caption]

 2日夜、米国ロサンゼルスで映画界最大の祭典アカデミー賞の授賞式が行われ、ブラジル映画「アイム・スティル・ヒア(原題・アインダ・エストウ・アキ、8月日本公開)が国際長編映画賞を受賞。同祭大の 97年の歴史で初めてオスカー像がブラジルの国境を越えることになった。 受賞の瞬間は2日の23時頃。リオのサプカイのサンボードロモではスペシャル・グループのエスコーラによるデスフィーレ(パレード)が行われている最中だった。
 スペイン人女優ペネロペ・クルスが受賞作として「アイム・スティル・ヒア」の名を読み上げた瞬間、ブラジル全土から歓喜の叫びが轟き渡った。それはこの夜、カーニバルのため外出先のカーニバル会場の大型スクリーンでオスカーのテレビ中継を路上で見ている人が多かったためだ。(1)
 国際長編映画賞は英語以外の言語での最優秀映画を選ぶ賞で、全世界135カ国が参加資格のある賞だ。ブラジル映画は過去4度ノミネートされて無冠。その中の一つ、1999年にノミネートされた「セントラル・ステーション」の監督が「アイム〜」の監督のヴァルテル・サレス。彼にとっても26年越しの悲願だった。
 壇上に立ったサレスは英語でスピーチを行った。彼は受賞に感謝を示し、「この賞を素敵な2人の女性、フェルナンダ・トーレス、そしてフェルナンダ・モンテネグロに捧げたい」と、主演女優のトーレス、さらに「セントラル・ステーション」の主役でトーレスの実母でもあるモンテネグロを讃えた。
 さらに「そして、もう一人、軍事独裁位政権の中、決して諦めることをしなかった女性エウニセ・パイヴァに捧げたい」と、トーレスの演じた主人公に賛辞を送った。(2)
 さらに3日午前1時近く、もう一つのドラマが待っていた。トーレスがノミネートされた主演女優賞の発表があり、同賞が映画「アノーラ」のマイキー・マディソンに渡った。
 同賞はゴールデン・グローブ賞を受賞していたトーレス、大本命と目されトーレス自身も受賞を予想していたベテラン人気女優のデミ・ムーアの受賞が予想されていたが、実質的に新人の25歳の新鋭の予想外の受賞にブラジルからは強い驚きと不満の声が溢れ、翌日にかけてネット上が荒れた。
 母モンテネグロも26年前。当時26歳だったグウィネス・パルトロウに敗れ受賞を逃していた。
今年のオスカーは「アノーラ」が作品賞を含む5冠の圧勝に終わった。(3)


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