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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(118)

2025年3月6日

 やはり、日の丸の下で…

 三四年の排日法は、邦人のこの国に対する深い失望感を生んだが、それは四年後の日本語学校の閉鎖令で、さらに強まった。しかし、どうすることもできなかった。その無力感と無念さから生まれたのが、
 「我々は、やはり日の丸の下で生きるべきであり、海外へ出る場合は、日本軍と共に行動すべきである」
 という気分、空気であった。
 それは日系社会の世論化した。一九三九年(支那事変中の)日本軍が海南島を攻略すると、同島への転住論が唱えられた。そこではブラジルでの熱帯農業の経験を生かせる筈だ…というのである。
 この海南島への転住論は、あたかも日本政...

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