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グレイシ=政局調整役に強い意欲も=セントロン政党は強く反発=PT党首後任めぐる対立も

2025年3月12日

10日のグレイシ氏(Jose Cruz/Agencia Brasil)
10日のグレイシ氏(Jose Cruz/Agencia Brasil)

 【既報関連】労働者党(PT)党首だったグレイシ・ホフマン氏が、10日に大統領府渉外室長官に就任した。この人事をめぐり、連邦政府における中道勢力セントロンとの関係や、PT内部の党首争いなどの行方が注目されている。同日付G1サイト(1)などが報じている。

 グレイシ氏と同氏の前任の大統領府渉外室長官だったアレッシャンドレ・パジーリャ氏(PT)の保健相への就任式は10日午後、大統領府で行われた。就任式にはウゴ・モッタ下院議長(共和者・RP)やダヴィ・アルコルンブレ上院議長(ウニオン)はじめ、1300人の来賓が集まった。
 グレイシ氏は就任式演説で、「私は全ての閣僚を代表して政局調整を行うためにこの役職についた」と語り、「とりわけフェルナンド・ハダジ財相による経済政策の法案成立を確かなものにするために助けたい。良き雇用と経済成長が実現するように」と、PT党首時代には批判することが多かったハダジ氏にエールを送った。
 グレイシ氏はまた、スピーチの中でウゴ・モッタ下院議長を「私の議長」と呼び、協力関係をアピールした。グレイシ氏は就任前の数日間と就任翌日の11日に協力政党のリーダーたちと会合を行うなど、政局調整(アルチクラソン)の任務に積極的な姿勢を見せている。(2)
 グレイシ氏とパジーリャ氏の人事は今回の閣僚再編の最大の目玉と目されている。PT党首以前にジウマ政権で官房長官を務めた実績もあるグレイシ氏を渉外室長官に据え、アルチクラソンの手腕に疑問の声が出ていたパジーリャ氏をジウマ政権時代に務めた保健相に配置換えすることで、保健相を左派以外の政治家に渡したくないルーラ氏の意向も守られたためだ。
 だが、グレイシ氏のアルチクラソン役は早速、セントロン政党の強い反発を招いている。その背景には、グレイシ氏がPTの中でも左寄り会派に属し、セントロン攻撃の急先鋒だったことがある。加えて、ルーラ大統領は今回の閣僚再編で急進左派の社会主義自由党(PSOL)所属で聖市市長選で次点にもなったギリェルメ・ボウロス下議の閣僚入りをほのめかしていることも懸念材料となっている。
 セントロンの中でもボルソナロ前大統領との関係が深かったシロ・ノゲイラ氏が党首を務める進歩党(PP)は、アンドレ・フフカ・スポーツ相の役職返上を示唆している。
 また、PPは同じくセントロンのウニオンとの政党連立を希望しており、それに伴うウニオンからの閣僚返上も予想される。ダヴィ・アルコルンブレ上院議長の一派はこの動きに反対しているが、2026年大統領選の同党候補と目されるロナウド・カイアード・ゴイアス州知事や同党の前身政党の一つの民主党(DEM)元党首のACMネット氏は賛成し、意見が割れている。
 社会民主党(PSD)は閣僚返上こそ否定しているものの、党首のジルベルト・カサビ氏は今回の就任式に欠席している。
 また、PT内部では、グレイシ氏の後任党首問題で、中道路線のエジーニョ・シルヴァ氏が有力となっている事に関してグレイシ氏の勢力が強く反発し、火種となっている。(3)


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