インフレ率=ひと月で1・31%上昇=2月では03年以降で最高

地理統計院(IBGE)は10日、2月の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前月比で1・31%増加したと発表した。この数字は、2月としては2003年以来最も高い上昇率で、月間記録としても22年3月の1・62%に続く高水準だ。また、直近12カ月間の累積インフレ率は5・06%に達し、中銀が定めたインフレ目標上限である4・5%を引き続き大きく上回っていると、同日付インフォ・マネーなど(1)(2)(3)が報じた。
この結果は、1月の0・16%増と比べ、インフレが大幅に加速したことを示しており、今年始めの2か月間だけで既に1・47%の上昇を記録している。なお、金融市場は2月のインフレ率は1・3%増との予測を立てており、実際の結果はほぼその通りとなった。
2月のインフレ上昇の約92%は、九つの調査対象費目のうち、居住費、教育費、食品・飲料費、交通費の四つに集中している。特に大きなインフレ圧力は、家庭用電力の16・80%上昇で、これがIPCAを0・56%ポイント(PP)引き上げた。この上昇は、1月に一時的な料金引き下げを生じさせたイタイプー水力発電所からのボーナス提供が終了したためで、これにより、居住費全体は1月の3・08%減から4・44%増へと急上昇した。
また、教育費も4・70%の大幅増を記録し、IPCAを0・28PP引き上げた。これは主に私立校の授業料引き上げによるもので、小学校の7・51%増、中学校の7・27%増、幼稚園・保育園の7・02%増などが影響した。
食品・飲料は0・70%の上昇に止まり、1月の0・96%増より鈍化したが、いくつかの食品では依然として値上がりが見られた。特に目立ったのは、鶏卵の15・39%や挽いたコーヒーの10・77%などだ。鶏卵の急騰は、米国における鳥インフルエンザ問題による輸出増と、学校再開や復活祭前につきものの需要の高まりなどが要因で、コーヒーの価格上昇は収穫不良に起因する。一方で、ジャガイモが4・10%減、米が1・61%減、ロングライフ牛乳が1・04%減など、一部の食品は価格が低下した。
交通費もインフレに影響を与えたが、0・61%の上昇に止まり、1月の1・30%より鈍化した。この部門の価格上昇の主要因は燃料価格の上昇で、特に軽油は4・35%、エタノールは3・62%、ガソリンは2・78%の値上がりを見せた。ガソリンはインフレ指標に与える影響が大きく、IPCAに対して単独で0・14PPの影響を与えた。個別の影響としては家庭用電力に次ぐ、2番目に大きなものとなった。
労働市場の好調を背景に、消費が増加していることによるサービスインフレも懸念材料の一つだ。所得増を反映してレストラン、美容院などのサービス料金が上昇しており、これがインフレを加速させている。
これらの要因により、中銀は今後、経済基本金利(Selic)を年率13・25%からさらに引き上げる可能性が高いと予想されている。金利の引き上げは消費や需要に圧力をかけ、インフレを抑制する効果が期待されるが、実際の影響が現れるまでには数カ月を要する。
他方、5最低賃金以下の収入を得ている低所得世帯向けに算出されたインフレ指標である全国消費者物価指数(INPC)は、2月に1・48%の上昇を記録し、2月としては2003年の1・46%以来、月間記録としては2022年3月の1・71%以来の最大水準となった。直近12カ月の累計は4・87%に達しており、庶民の懐への圧力は一層強まっている。