ボベスパは13万P越え=昨年11月来のドル安に

17日のドルは対レアルで前日比0・99%下落し、5・6863レアルで取引を終えた。これは昨年11月以来の最安値で、月間では3・89%、年初来では7・98%の下落となった。また、サンパウロ証券取引所(B3)の主要株価指数であるボベスパ指数は1・46%上昇し、昨年10月以来の高値となる13万0834ポイントで取引を終え、年間では8・77%の上昇を記録したと同日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
市場はブラジルと米国の中銀による金利決定会合が同日に行われる「スーパーウェンズデー」を19日に控え、楽観的な見通しを持っている。ブラジル中銀の通貨政策委員会(Copom)では、経済基本金利(Selic)が1%ポイント引き上げられ、年率14・25%に達すると見られている。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策金利を年率4・25〜4・50%の範囲に据え置くと見られている。高金利は信用コストを引き上げ、消費を抑制し、インフレ抑制に寄与する可能性がある一方、経済活動の鈍化を招くリスクも懸念されている。また、トランプ米大統領の関税政策が引き起こすインフレの可能性や、主要経済圏間での貿易戦争の影響も投資家の注目を集めている。
ブラジル中銀が発表した最新の経済動向予測調査「フォーカス」によると、2025年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は5・66%となる見込みで、前回調査での予測値5・68%から若干の減速が見られたが、依然としてインフレ目標中央値の年率3%はおろか、上限の4・5%も大きく上回っている。
また、ブラジルの国内総生産(GDP)の先行指標である中銀の経済活動指数(IBC―Br)は1月に0・9%の増加を記録。市場予想の平均値、0・2%を上回り、24年6月以来の高い数値となった。前年同月比では3・6%、直近12カ月間では3・8%の成長を示した。
一方、米国中銀は、インフレ率の抑制を目指して慎重な金利政策を維持しており、経済成長と物価安定を両立させることが求められている。米国のインフレ率は依然として目標値の2%を上回っており、物価上昇率は年間3%で安定している。また、トランプ大統領の関税政策により、製品価格が高くなることで消費が減少し、米国経済の成長減速や景気後退を引き起こす可能性が懸念されている。特に、中国との貿易摩擦やその他の国際的な不確実性が、経済や市場に影響を与える可能性があるため、これらのリスクも注視されている。
他方、中国では16日、国内消費を刺激するための「消費振興特別行動計画」が発表され、市場に好意的に受け取られた。この計画は都市および農村地域での所得増加を目指し、住宅改革や株式市場の安定化策を含む。さらに、育児支援やフレキシブルな雇用促進を目的とした施策が打ち出され、働く人々への権利強化や観光業の拡大が計画されている。