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クーデター疑惑審理=最高裁で19日から事前審理=ボルソナロらの要望受け入れ=全体審理や3判事除外要請で

2025年3月19日

バローゾ長官(Rovena Rosa/Agencia Brasil)
バローゾ長官(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 最高裁のルイス・ロベルト・バローゾ長官は17日、2022年のクーデター計画疑惑の審理に関して、ボルソナロ前大統領と22年の大統領選で同氏の副候補だったヴァルテル・ブラガ・ネット氏の弁護人から出ていた、「特定の判事を外す」「全体審理で行う」などの要請に関して、19日と20日に審理を行うことを決めた。17日付G1サイト(1)が報じている。

 19日から20日にかけて最高裁で審理するのは以下の3件に関してだ。
 内二つは、ボルソナロ氏の弁護士が主張しているもので、一つ目は、「クーデター疑惑の審理からクリスチアーノ・ザニン判事とフラヴィオ・ジノ判事を外す」というものだ。前大統領の弁護人らは、両判事が大統領選でボルソナロ氏と争ったルーラ大統領の指名を受けて就任したこと、さらにジノ判事が2023年1月8日の三権中枢施設襲撃事件の際、ルーラ政権の法相であったことなどを申し立ての理由としてあげている。
 二つ目は、「審理を第1小法廷ではなく、大法廷で行う」というものだ。25日に始まる、連邦検察庁からの起訴対象者の内、ボルソナロ氏ら計8人の起訴状を受理するか否かの審理は第1小法廷の判事5人で行われるが、同法廷のメンバーには、ザニン、ジノ、さらにクーデター疑惑担当報告官のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事が含まれている。この審理で起訴状受理が決まれば、8人は被告となる。
 他方、全体審理だと第2小法廷の判事も加わるため、少なくとも、ボルソナロ氏が指名したカシオ・ヌーネス・マルケス、アンドレ・メンドンサ両判事がボルソナロ氏に有利な票を投じる可能性がある。
 三つ目の要請は、ブラガ・ネット氏の弁護人が求めた「モラエス判事を審理から外す」というものだ。それは、モラエス判事がルーラ氏や副候補だったジェラルド・アルキミン氏と共に、大統領選挙後の22年11〜12月に陸軍高官らによる4人のグループ「黄色と緑の短剣」が画策したと見られる暗殺計画の標的の1人とされた当事者だからだという。
 刑事訴訟法第252条には、裁判官が訴訟を担当できないケースが4例が挙げられ、その4番目として「本人、または配偶者、あるいは血縁関係または婚姻関係にある直系または傍系(3親等まで)の親族が、事件の当事者または直接の利害関係人である」とある。だが、モラエス判事の場合は事件の当事者でも特例扱いとなっているようだ。(2)
  これらの件は最高裁が一度却下したもので、連邦検察庁も、ボルソナロ氏の弁護人たちはザニン判事とジノ判事が審理を外れるべき根拠を示せなかったとして、反対の立場を示している。
 なお、最高裁第1小法廷は14日に、前大統領の元側近で、クーデター捜査で司法取引を行ったマウロ・シジ容疑者への捜査妨害で逮捕されたブラガ・ネット氏の拘束延長も決めている。(3)
 25日からのボルソナロ氏らの審理はこれらの要請を受け入れるか否かの審理の結果が出てから行われるが、審理は厳しいものが予想されている。
 ボルソナロ氏は三権中枢施設襲撃事件で断罪された人たちへの恩赦を求めるデモを16日にリオ市コパカバーナで行ったが、100万人の参加を期待したのに対し、2万人弱の支持者しか集まらなかった。この様子を見て、最高裁判事らが「このデモが自分たちの決定に影響を及ぼすことはない」と改めて語ったとメトロポレスなどが報じている。(4)


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