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ボルソナロ三男=米国亡命検討を突然表明=「モラエスはモンスター」=下議も休職、戸惑うPL

2025年3月20日

エドゥアルド氏の動画(Reproducao)
エドゥアルド氏の動画(Reproducao)

 ボルソナロ前大統領三男のエドゥアルド下議(自由党・PL)は18日、フォーリャ紙の取材に対して4カ月間の休職の上、「モラエスはモンスター」「合法的に3カ月以上滞在するため、米国への亡命申請を検討している」と語った。発言は突然で、矛盾も見られるため、政界に混乱を起こしている。

 この声明は、18日にエドゥアルド氏が滞在先の米国で流した動画によるものだ。それによると、エドゥアルド氏は「帰国すれば逮捕されてしまう」と発言。米国にとどまるとした。エドゥアルド氏に対しては2月27日に労働者党(PT)が、同氏が米国の連邦議員たちと組んでブラジルの主権を脅かそうとしているとして、パスポートの没収や一時拘束を求めていた。
 だが、最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事は18日、PTからの訴えをお蔵入りにしており、逮捕の心配はなくなっている。だが、エドアルド下議はフォーリャ紙の取材に「移民法の弁護士と相談している。彼は私に亡命を申請することを強く勧めている。モラエスが二転三転して私の身柄を引き渡そうとしたり、外国で私の公判前勾留を要求したりする可能性は否定できない」と今回の判断の理由を述べた。
 検察当局は火曜日に、同下議のパスポート押収要求に反対する声明を最高裁に提出したが、同下議はフォーリャ紙に「検察庁は、私がブラジルに戻った後、意見書を出してパスポートを押収する可能性がある」と疑っていることを明かした。
 エドゥアルド氏は動画の中では、下議の職務を無期限で休職し、その間は給与ももらわないとした。さらに、モラエス判事が自身の犯した罪で処分されるまでは帰国しないと語った。(1)
 下院では休職は最大で120日となっており、無期限に行うことはできない。それ以上休職を続ける場合は、一度帰国し、自身の補欠候補に交代する手続きをとる必要がある。
 エドゥアルド氏はさらに、父ボルソナロ氏に暗殺計画、もしくは逮捕して終身刑に処す計画が存在すると語り、米国のドナルド・トランプ大統領も、2024年大統領選で当選していなければ同じ運命だったと語った。
 ボルソナロ氏やトランプ氏に対してそのような計画があることは知られていない。
 この動画の発表後、エドゥアルド氏は伯国メディアの取材を受けた。同氏はフォーリャ紙に対し、「アレシャンドレ・デ・モラエスが制裁を受ける可能性が現実のものとなった。ブラジルの誰もそれにブレーキをかけることはできない。だから私は、ブラジルよりもここアメリカでの仕事の方が重要だと考えるようになった」と米国に留まる理由を説明した。(2)
 エドゥアルド氏の休職宣言は、所属のPLにとっても驚きだった。それは、この直前まで、エドゥアルド氏を下院の外交問題委員会の委員長に就任させる方向でPLが動いていたためだ。PLは党の声明として「非常に悲しいことで残念だが、尊重する」と発表した。
 エドゥアルド氏によると、外交問題委員会の委員長は下院の野党リーダーである同党のズッコ氏が引き継ぐことになるというが、PLはまだ、最終決定を下していない。(3)(4)
 エドゥアルド氏の一報を聞き、ボルソナロ氏は「この国ではナチファシズムが進んでいる」と言ってモラエス判事を批判した。ボルソナロ氏は既にパスポートを没収されている。
 また、「私の思いはトランプ大統領と共にある。彼はこれからも息子を抱き、受け止めてくれるだろう」と語り、トランプ氏への感謝を示した。
 一方、PTの下院議員たちは最高裁に対し、ボルソナロ氏が裁判所の許可なくブラジリアを出ることを禁じるよう求めた。ボルソナロ氏は25日に最高裁で、クーデター計画疑惑での起訴状を受け付けるか否かの審理を受けることになっている。(5)


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