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両議長帰国で議会正常化=所得税改正など議題山積

2025年4月1日

税制改革について審議中の下院の様子(Vinicius Loures/Câmara dos Deputados)
税制改革について審議中の下院の様子(Vinicius Loures/Câmara dos Deputados)

 ルーラ大統領のアジア歴訪に両院議長も同行したことで、諸案件の審議が減速していた連邦議会が通常の動きを取り戻そうとしている。
 審議等の日程通常化で最初に焦点になるのは、恩赦法や有罪判決を受けた政治家が出馬禁止となる期間の見直し、所得税軽免法案などだ。(1)
 恩赦法は昨年、下院憲法司法委員会での投票直前まで行ったが、投票予定日にアルトゥル・リラ下院議長(当時)が同件に関する特別委員会を設置。これにより審議が止まり、今に至っているが、最高裁審理でボルソナロ前大統領らがクーデター疑惑の被告となったことで、自由党(PL)を中心とする野党側が審議を急いでいる。
 下院議長が外遊に同行していた間は具体的な動きはなく、上下両院議長はおろか、政府や最高裁も同件に関する議論はこれ以上進まず、承認される可能性はないとの見方を示していたが、PLはこの間もずっと、審議しなければ他の法案の審議を妨害すると発言しており、1日に下院議長と同件に関する会合を行う約束を取り付けた。
 同法案の対象が23年1月8日の三権中枢施設襲撃事件で有罪となった人だけでなく、22年10月30日の大統領選決選投票以降の全てのデモへの参加者となっていることなどもあり、モッタ議長周辺は同議長が恩赦法を近日中に審議にかける可能性はゼロと見ている。だが、同議長は1日に恩赦法賛成派の政党リーダー達、3日には全政党のリーダー達との会合を持つ見込みだ。野党側は、同議長が1日に委員会での審議にかけるか本会議に直接かけるかを発表することを期待しているという。
 別の焦点と見られているのは、複数の判事による裁判(合議審)で有罪となった人は、刑期または議員任期を終えてから8年間は出馬できない(被選挙権を失う)ことを定めたフィッシャ・リンパ法の見直しだ。(2)
 上院で投票直前まで行った改定案は、出馬停止期間は最初に合議審で有罪判決を受けた時から8年間で、過去の判決に遡った適用も認めているため、過去の裁判で有罪となり、現在は出馬不適格の複数の政治家が恩恵を受け得る。
 現職政治家が職権や経済的な力の乱用で有罪となった場合の出馬停止期間は犯罪行為発生時から8年間のままだ。ボルソナロ氏は22年大統領選の一次投票日の10月2日から8年間だから、26年の大統領選一次投票日(10月6日)には被選挙権が復活していることになる。
 窃盗などの一般犯罪で有罪となり、在任中に罷免されたりした場合は最初の合議審での有罪判決から8年間が出馬停止期間となる。また、行政犯罪やテロ、資金洗浄、麻薬販売、人種差別、奴隷労働、組織犯罪などの重犯罪の場合は刑期終了から8年間のままだが、複数の罪状で有罪判決を受けた場合の出馬停止期間は最大で12年となる予定だ。
 連邦議員や州議、市議、知事、市長が罷免となった場合の出馬停止期間は、罷免または任期剥奪が宣言された時から8年間で、本来の任期終了時から8年間という現行法の規定より短くなる。
 所得税軽免税も、現政権最終年の来年から発効となるには年内承認が必要で、近日中に審議日程が決まる見込み。
 来年が選挙年のため、投票日の支持率調査の結果発表などを認め、下院が21年に本文を承認した選挙法改定案も審議が急がれるが、同件に関しては下院が特別委員会を新設する可能性があり、先行きは不透明だ。(3)(4)


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