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トランプ相互関税=最低値10%で安堵=「最悪は避けられた」=農業界には懸念残る

2025年4月4日

2日に発表された国別の関税率の表(Reproducao)
2日に発表された国別の関税率の表(Reproducao)

 ドナルド・トランプ米大統領は2日に相互関税の税率を発表し、アジア諸国には軒並み40%前後の高率が追加される中、ブラジルには最低値の10%だった。ホワイトハウスによれば相互関税は5日から実施される。同日付G1サイト(1)が報じている。

 今回の関税対策に関してトランプ大統領は「これまであまりに不釣合いで不公平なことが行われてきた」と語り、「諸外国はついに、世界最大の市場である米国市場にアクセスする特権の対価を支払うことになる」と語っている。
 米国による新関税は最低税率が10%となっており、同国に対して20%を超える高い関税をかけている国の製品にはその約半分の税率を課すことになる。
 例えば、米国製品に対して67%の関税を課している中国への税率は34%、46%の関税を課している日本に対しては24%となる。
 ブラジルの場合、米国製品に対する税率は10%なので、ブラジルから輸入する品に対しても10%が課されることになる。
 ただし、すでに個別課税が決まっている鉄鋼製品とアルミに関しては25%の追加関税がかかる。まだ未定ではあるものの、トランプ大統領は自動車や自動車部品に対しても別の課税を行う意向を示している。
 2日の発表時、トランプ氏は「今日は米国が自由を獲得した日だ」と宣言。「米国の歴史の中でも最も重要な日だ。我々の経済上の独立の日なのだから」と言い切った。
 新関税率の発表日時は事前に通達されており、ブラジルでも政界、財界、産業界が強く恐れていた。だが、ブラジルから輸入する品への税率が10%だったことを受け、専門家たちの見方は「最悪の事態は避けられた」というものだった。(2)
 CNNブラジルのアナリスト、フェルナンダ・マグノッタ氏は、「税率が最低限で止まり、トランプ大統領の会見の席でもブラジルの名前が上がらなかったのは、ブラジル外交やブラジル企業にとっては前向きに捉えていいことだと思う」と語った。
 ブラジル外務省関係者もCBNラジオの取材に対し、「税率の計算方法は奇妙なものだが、ブラジルとしては最低限の税率で、最悪ではなかった」と答えている。(3)
 だが、今回の発表ではアジア諸国には軒並み40%前後の高率関税が課された上、予てからこの政策に反対していたEUにも20%の税率が課されるなど、強い反発が起こるのは必至で、国際経済の不安定化を危惧する声が高まっている。
 また、ブラジルにおいても、一律に10%の関税が課されることで、米国への輸出量が大きい農業界にはとりわけ強い懸念が残った。また、エタノールなどは現行の2・5%から大きく上がることによる影響も懸念される。米国へはコーヒーや牛肉、ジュースなどの輸出量が多い。(4)
 他方、連邦議会では、米国の高率関税に対する対抗関税措置を定める法案の審議も進展。上院が1日に承認した法案は下院も2日に緊急承認しており、大統領の裁可待ちの状態となっている。(5)


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