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恩赦法=サンパウロ市デモ=保守系知事7人も参加=今回4万5千人集まる=落書き美容師が象徴に

2025年4月8日

ボルソナロ氏と保守派州知事たち(RS/Via Fotos Publicas)
ボルソナロ氏と保守派州知事たち(RS/Via Fotos Publicas)

 ボルソナロ前大統領は6日、サンパウロ市パウリスタ大通りで、23年1月8日の三権中枢施設襲撃事件の関係者に対する恩赦法を求めるデモを行った。3月16日に行ったリオ市での同件のデモの失敗を踏まえ、今回は保守派知事や大統領選への出馬候補の一人とされるミシェレ夫人を迎えるなどしたため、動員数は前回を上回った。(1)

 リオ市コパカバーナでのデモはサンパウロ総合大学(USP)の発表で1万8千人しか集められず、アピール不足となり、10日後の3月25~26日に最高裁第1小法廷で行われたクーデター計画疑惑の審理で、ボルソナロ氏が満場一致で被告になることにもつながった。
 前回は保守派の知事がタルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事一人しか参加しなかったことが失敗の一つに数えられたが、今回はタルシジオ氏に加え、ミナス・ジェライス州のロメウ・ゼマ、ゴイアス州のロナウド・カイアード、パラナ州のラチーニョ・ジュニオル、サンタカタリーナ州のジョルジーニョ・メロ、アマゾナス州のウィルソン・リマ、マット・グロッソ州のマウロ・メンデスと、保守系知事7人が集まった。
 今回は、最高裁前にある「目隠し裁判の像」に口紅で落書きをしたとして、美容師のデボラ・ロドリゲス・ドス・サントス被告が最高裁の報告官アレッシャンドレ・デ・モラエス判事から14年の実刑を求刑されたことが社会問題となり、反発を強めたことから、女性の参加者たちがデボラ被告をデモの象徴として盛り立てた。
 そこに前回、美容整形手術後で参加できなかった前大統領のミシェレ夫人が参加。演説でも、モラエス判事の求刑内容に反対したルイス・フクス判事を称賛し、恩赦を求めた。(2)
 ボルソナロ氏はこの日、26分にも及ぶ演説を行った。同氏は、自身がクーデター計画疑惑で被告になったことに触れ、「最高裁と左派政治家たちによる迫害だ」として批判を行った。
 また、前大統領もデボラ被告の件に触れ、「彼女には10歳と7歳の娘がいる。そのことを考えてみろ」の表現で、モラエス判事ら最高裁の判断は人道的でないと批判。恩赦を求めた。
 ボルソナロ氏はこの際、「自分の主張が国内だけでなく、世界に届くように」と、「ポップコーンやアイスクリームの販売員がクーデターの嫌疑で有罪になっている」という箇所を英語でスピーチ。トランプ米国大統領の介入を求めるような一幕も見られた。(3)
 こうしたこともあり、今回のデモはUSPの集計で4万4900人と前回を上回る規模となった。
 だが、世間の恩赦法への目は厳しい。クエスチ社が3月27〜31日に行った世論調査では、国民の56%が「1月8日襲撃事件の襲撃者は刑務所に入り続けて刑期を全うすべきだ」と答え、「釈放されるべきだ」の34%を大きく上回っている。(4)
 また、ダッタフォーリャが1〜3日に行った調査では、ボルソナロ氏は2026年の大統領選「出馬を断念すべき」と答えた人が67%で、「出馬を取り下げるべきではない」の28%を倍以上上回っていた。
 連邦政府は今回も人が多く入ったとは見ておらず、シラス・マラファイア牧師が壇上で、ウゴ・モッタ下院議長に関し「敵」「パライバ州の恥」などと批判したことで下院での恩赦法の審議がさらに微妙になったのではないかとの見方をしている。(5)(6)


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