先住民族=自由な土地キャンプ開催=憲法の遵守や生得権主張

ブラジリアで、ブラジル先住民連合(Apib)主催の第21回「自由な土地キャンプ(Acampamento Terra Livre、ATL)が開催されている。

同キャンプは毎年開催される、国内最大の先住民族のイベントだ。6日から集まり始めた参加者達は7~11日の日程で討議などを行う。少なくとも135の部族の先住民が6千~1万人集まる見込みで、ポルトガル語や274の部族語が飛び交っている。(1)(2)
ATLは国家レベルで認められた行事で、8日には下院がATL開催を記念するセッションを持った。会議にはボディペイントなどを施し、伝統的な衣装を身にまとった先住民族リーダーらやソニア・グアジャジャラ先住民族相、マカエ・エヴァリスト人権市民相、ジョエニア・ワピシャナ国立先住民族保護財団(Funai)総裁、保健省のリカルド・ウェイベ・タペバ先住民族保健局長らが出席。会議開催提唱者のセリア・カクリアバー下議は何十人もの先住民達を前に、「これが私達が将来のために夢見る国民会議だ。私達から始まるブラジルの会議だ。先住民は最初のブラジル人でありながら、国民会議にたどり着く最後のグループ」と語った。
また、Apib執行コーディネーターのディナマム・トゥシャー氏が講演を行い、先住民の権利を侵害する議会の取り組みを批判した。同氏は、先住民は連邦憲法が制定された1988年10月に占有していた土地に対してのみ権利を有するというマルコ・テンポラル(一時的枠組)などは、憲法の条文を歪曲するものと主張。議会が承認した連邦憲法は完全に施行されておらず、先住民族の領土内で暴力が蔓延している一方、同じ議会が、先住民族の基本的権利を侵害する憲法改正案や法案をまとめ、審議していると批判した。

今回のATLのテーマは「Apib私達は皆:憲法と命を守る」で、1988年に制定された憲法擁護が議題の一つだ。同憲法は様々な部族が各々の先祖により伝統的に占拠して来た領土に対する権利を持っていることや、それらの地域を保護するのは国の責任であることを明記しており、先住民族による権利獲得と保証を謳った画期的なものとされている。サブテーマは、私達は皆、抵抗と制服、権利の脱憲法化、民主主義の強化、未来を守る―答えは私達の五つだ。
グアジャジャラ先住民族相は、「Apibの20周年とATLの21周年を讃えたい。この偉大な運動はブラジル先住民族最大の集会となり、世界最大の先住民運動にもなった」「ATLは闘争、抵抗、頑固さ、避難と同義だが、美しさ、多様性、文化、祖先の知恵とも同義であることを忘れてはならない」と発言。先住民議員の選出は先住民の政治的動員によるもので、2023年の先住民族省設立も先住民族の闘争の成果だと述べた。
期間中は一時的枠組や民主主義、先住民族の権利に関する議論やデモなどが行われる。(3)(4)
また、24年12月に国家法務審議会(CNJ)と国家検察審議会(CNMP)が出した共同決議第12号で許可された、先住民名を民事登録に含める作業も行われ、法的手続きを必要とせずに各自が属する先住民族の姓で民事登録を行った最初の例が届け出られた。新しい文書を受け取った人の中にはワピシャナFunai総裁や作家のダニエル・ムンドゥルク氏らも含まれている。(5)(6)
また、最高裁でマルコ・テンポラル報告官のジルマル・メンデス判事は8日、Apibの代表らと会い、同件に関する和解のために委員会ヘの復帰を求めた。(7)