ジュセリーノ通信相が辞任=議員割当金の不正利用疑惑で=後任にはペドロ氏が確実視

8日、ジュセリーノ・フィーリョ通信首相(ウニオン)が辞任を申し出た。かねてから問題とされていた議員割当金の不正利用疑惑で連邦検察庁から起訴されたためだ。同日付G1サイト(1)が報じている。
ジュセリーノ氏は8日に声明を出し、「今日、人生で最大級の難しい決断をした。ルーラ大統領に辞任を申し出た」と発表した。
「私が辞任するのは無責任だからではなく、その逆だ。最も重要なのは、私が信じ続けているこの国のプロジェクトを守ることだと信じているからだ」とジュセリーノ氏は声明の中で語っている。
大統領府通信局によると、ルーラ大統領は8日の昼過ぎにジュセリーノ氏に電話をかけ、自己弁明に専念した方が良いと伝え、そのために辞表を出すよう勧めたという。
その前にはジュセリーノ氏が所属するウニオンの代表とグレイシ・ホフマン大統領府渉外室長官が会合を持ち、最高裁が起訴状を受理し、被告となるようなことになる前に辞任した方が良いとの話になっていたという。(2)
ジュセリーノ氏は検察庁から、「組織犯罪計画」「違法入札」「公金横領」「特定の公人への施し」の四つの罪状で起訴された。同氏の場合、23年に通信相に就任した頃から下議時代に行ったとされる議員割当金の不正利用疑惑が取り沙汰されていた。
中でも問題視されていたのは、マラニョン州ヴィトリノ・フレイレへの議員割当金の横流し疑惑だった。同市市長は当時、ジュセリーノ氏の実妹のルアナ・レゼンダ氏が務めており、その時代にこの疑惑が浮上している。
また、この起訴に関する最高裁での担当者がフラヴィオ・ジノ判事であることも火に油を注いだ。ジノ判事は昨年、議員割当金の利用目的の規制を強化した本人で、かねてから、ジュセリーノ氏が起訴された場合は不利になることは避けられないとの見方をされていた。
ウニオンは、ゴイアス州の保守派知事ロナウド・カイアード氏が4日に2026年の大統領選への出馬宣言を行ったばかりでもあり、「連邦政府への協力を継続するか否か」で党内が割れているタイミングに飛び出したのがジュセリーノ氏の辞任問題だった。
ただ、ジュセリーノ氏は声明の中で、「在任中はルーラ大統領に惜しみない協力をしていただいた」と感謝を示しており、友好的な辞任であることを強調している。
後任の通信相にはペドロ・ルーカス・フェルナンデス下議が確実視されている。後任問題に関しては、ウニオンで連邦政府と協力関係にあるダヴィ・アルコルンブレ上院議長がルーラ大統領に直接電話をかけ、ウニオンの下院リーダーでもあるペドロ氏の名前を告げている。
ペドロ氏もジュセリーノ氏同様、マラニョン州選出の下議で、以前はブラジル労働党(PTB)所属だったため、ジュセリーノ氏と議席を争っていた。(3)
ジュセリーノ氏は下議に復帰し、下院リーダーを継ぐのではと見られている。