製造業=世界ランキングで25位に=ルーラ政権の経済政策寄与

ブラジルの製造業界は2024年、世界平均を上回る成長を遂げ、工業生産の世界ランキングで25位となった。これは19年以来の最高位で、前年の45位から急上昇した。ルーラ政権発足前の22年の70位から見れば大幅な改善と、8日付ブラジル247など(1)(2)が報じた。
ブラジル産業開発研究所(IEDI)が国連工業開発機関(UNIDO)のデータを基に実施した調査によると、ブラジルの昨年の成長率は3・2%で、世界平均の2・3%を上回った。
この好業績は、プレカトリオ(裁判所の判決に基づき、政府が支払うべき未払いの賠償金や債務)を活用した財政刺激策や、持ち家政策の「ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダ」プログラムの再開、公共投資に最低限の枠組を保証する新たな財政制度の導入など、連邦政府の多岐にわたる施策によって実現した。さらに、昨年5月までの金利低下と労働市場の活性化も同業界の回復に貢献した。
ジェラルド・アルキミン副大統領兼商工開発相は、「ルーラ政権と企業家との協力関係が具体的な成果を生み出し、ブラジル経済の競争力を高め、質の高い雇用を創出していることを明確に示すものだ」と述べた。
社会経済開発銀行(BNDES)のアロイジオ・メルカダンテ総裁は、「ブラジル産業の発展は、ルーラ政権が進める国の新産業化努力の成果であり、公的政策の調整と革新的な政策、特にブラジル新産業(NIB)によるものだ」と述べ、さらに、同行がランキングの上昇に重要な役割を果たしていることを強調。「BNDESはNIBプログラムの下、2年間で14万5500件の信用取引、総額1960億レアル以上を承認した。これは、現政権の任期終了までに予定されている総額の70%以上に相当する」と説明した。
メルカダンテ総裁は、「24年のBNDESの産業向け融資承認額は農業向け融資を上回った。これは17年以来初めてで、我々の融資の質が改善されたことを示している」と付け加えた。さらに、「BNDESの中小企業向け融資承認は昨年、記録的な水準に達した。製薬業界への融資承認額も新記録を更新し、自動車産業向け融資承認額は17年以来の最高額となった。輸出向け融資承認も14年以降で最大となった。バイオ燃料向け融資も、BNDESの歴史の中で2番目に大きな承認額となった」と述べた。
だが、24年第4四半期は、世界全体が1%の成長を遂げた一方、ブラジルの工業生産は0・1%の減少を記録し、減速の兆候を見せている。ヴァロール紙のデータによれば、25年は1・6%の成長が見込まれているものの、予測は慎重なものとなっている。
この不確実性の主な要因の一つは、国際情勢の影響だ。ブラジルのエコノミストらは、米国の関税引き上げによって貿易の流れが激変し、米国向け輸出品が他の市場に振り分けられることで、ブラジル内での競争が激化する恐れがあることを懸念している。