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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(143)

2025年4月10日

 一時間くらい汽車に乗って行かねばならないこともあり、静子は学校へ行くのを断念した。
 悦子は小学校を三年でやめた。叔母の橋本多美代(二〇〇九年現在八十九歳)は、こう語る。
 「悦子は、いつも苛められて、学校から泣いて帰ってきました。私が付き添って行くようにし、雨が降っていなくても、傘を持たせました」
 この種の被害は、当時、日系の子供たちは、その多くが経験したことである。ブラジル生まれで、国籍を持っていても、敵として扱われた。
 橋本自身、夜、自宅に石を投げ込まれ、昼間「オ~、ジャポネス…云々」と罵られた。
 他所の日本人の家が押し入られ、モノを奪われた...

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