下院倫理委員会=グラウベル下議の弾劾承認=本人はハンガーストライキ

下院倫理委員会が9日、議員にあるまじき行動をとったとして、急進左派のグラウベル・ブラガ下議(社会主義自由党・PSOL)の弾劾を承認した。これを受け、同下議はハンガーストライキを宣言。10日未明は下院委員会の会議場の前の床で眠ったと9、10日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。
グラウベル下議が訴えられたのは、24年4月16日に下院を訪れていた保守派政治団体のブラジル自由運動(MBL)のメンバーでネットのインフルエンサーでもあるガブリエル・コステナロ氏が、同氏の側近にちょっかいを出したとして口論が起きた際、相手を蹴飛ばし、連邦議会から追い出すという行動に出たからだ。同下議は、コステナロ氏を招いていたキム・カタギリ下議(ウニオン)とも口論や乱闘騒ぎを起こした。
カタギリ下議はこの時点でグラウベル下議の罷免を求めたが、グラウベル下議はこの際、「やったことは後悔していない」と語っていた。
9日の下院倫理委員会の判断は、24年4月にノヴォが起こした同下議の行為は議会の礼儀を破ったとする告発を受け入れたもので、審議中も同下議を支援する左派議員達が抗議の声を挙げたりして会議が混乱したが、7時間の議論の末、賛成13、反対5でグラウベル下議の任期剝奪を承認した。
同下議の弾劾は本会議でも承認された時点で初めて有効となる。また、同下議は本会議で弾劾が審議される前に憲法司法委員会(CCJ)に控訴することができる。
同下議は委員会での審議中も審議内容が偏っていると抗議しており、CCJや最高裁に控訴する可能性が強いが、それと並行し、弾劾手続きが終わるまでハンガーストライキを行うと宣言し、その日からストに入った。
左派議員達は、同件報告官はリラ前下院議長が選んだパウロ・マガリャンエス下議であることや通常は午後4時から始まる本会議がこの時間に始まらなかったことなどからリラ氏にも批判の声を上げたが、委員会の結果は覆っていない。(6)(7)
なお、議会の礼儀や議員としてのエチケットという意味では、下院治安委員会で大統領や閣僚の警備を行う人員の火器の使用を禁じ、非武装化する法案を審議した際、「ルーラ大統領なんか死ねばいい」と語ったジルヴァン・ダ・フェデラル下議(自由党・PL)の言動も問題視されている。(8)
同件に関しては総弁護庁が連警に捜査を依頼済みだが、やはりPL所属でボルソナロ前大統領長男のフラヴィオ上議は9日、前大統領も同様の発言の標的にされていたとし、ジルヴァン下議の態度は「ブラジルの深刻な問題を議論するために集まっている連邦議員としては、このような姿勢は望ましくない」「非難されるべきもの」と述べた。ただし、議会としてはまだ、ジルヴァン下議に対する処分などを求める動きは出ていない。(9)
ジルヴァン下議自身は罷免を恐れ、9日に発言を撤回し、謝罪している。(10)(11)(12)(13)