site.title

私の回顧録=五十嵐司=(10)

2025年4月16日

 私はそのスペイン語書と自分の持っている有機合成の本を参考にして、2日間で原料のイソアミルアルコールからイソバレリアン酸(日本語=イソ吉草酸)を作ることが出来た。さらにもう1日研究室に行き、最終製品のエチルとアミル化合物を完成したので、試験は合格直ちに入社と決まった。
 このイソバレリアン酸は非常に悪臭のものだが、アルコール類とくっ付けてエチル、アミルとなると甘い果物の匂いになる面白いものである。後にこの酸を作るのに私は従来の高価な過マンガン酸カリの代わりに安価な苛性カリやソーダを使う方法を開発し、コストを下げることに成功した。しかしこの酸の悪い匂いが体につくため...

会員限定

有料会員限定コンテンツ

この記事の続きは有料会員限定コンテンツです。閲覧するには記事閲覧権限の取得が必要です。

認証情報を確認中...

有料記事閲覧について:
PDF会員は月に1記事まで、WEB/PDF会員はすべての有料記事を閲覧できます。

PDF会員の方へ:
すでにログインしている場合は、「今すぐ記事を読む」ボタンをクリックすると記事を閲覧できます。サーバー側で認証状態を確認できない場合でも、このボタンから直接アクセスできます。

Loading...