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福島県人会=日本語会話と習慣を解説=非日系中心に約50人が参加

2025年5月24日

日本の習慣やエチケットを説明する佐藤クリスチナさん
日本の習慣やエチケットを説明する佐藤クリスチナさん

 ブラジル福島県人会(佐藤フランシスコ会長)は10日午後2時から3時間ほど、サンパウロ市の同会館で「Conversação & Costumes(会話と習慣)」イベントを開催し、約50人が参加した。日本への留学や就労、観光旅行に備えて、日本の生活習慣や日本語会話を体験するイベントで、今回は2回目。
 最初に佐藤会長が来場者に「この機会に日本語初歩会話だけでなく、日本のエチケットや習慣も理解して下さい」と主旨を説明した。
 妻で文化理事の佐藤クリスチーナさんが1時間ほどスライドを使いながらポルトガル語で、「日本語の『頂きます』『行ってきます』『ただいま』『おかえり』『お休みなさい』などはポルトガル語に適当な訳がないですが、意味はこのようなもの」と詳しく説明した。
 「特に『頂きます』は、この食べ物を作ってくれた農家などの生産者、料理してくれた人、配膳してくれた人など皆に感謝する意味です」などと解説し、「ブラジルでウエイターを呼ぶ時に『Perdão』とは言いませんが、日本では『すみません』と言います」などと文化比較を交えて興味深い解説をした。
 「食事中に茶碗の内側に指を突っ込む持ち方をしてはいけない」「お椀の上に箸を渡し置いてはいけない」「玄関では靴を脱ぐのがマナーで脱いだ靴は必ず自分で揃える」「電車では鞄を前に抱える」「エスカレーターは左側を開けるが、大阪だけ右を空ける」「日本の道端にはゴミ箱がないので、自分で持ち帰る」など実践的な内容を分かりやすく図解しながら説明した。
 その後、日本語レベルごとに5段階に分かれて、それぞれにボランティアの日本語指導者がつき、お互いの自己紹介から初めて日本語会話を実践した。

参加者で記念撮影
参加者で記念撮影

 最上級グループでは大半が非日系人で、皆が流暢な日本語で喋るという興味深い光景が見られた。その一人、シーザー・サントスさん(22歳)はサンパウロ大学生物学部学生。北東伯のセルジッペ州出身で、進学のために去年出聖したばかり。「アニメがきっかけで15歳ぐらいから勉強を始めた。あちらには日系人もいないし、日本語学校もなかったので、全部ユーチューブなどで独学した。今は夏目漱石の『三四郎』を読んでいる。いつか日本に国費留学に行きたい」と流暢な日本語で話した。
 長野県生まれで9歳の時に帰伯したと言う日系3世女性(29歳)は「小学校1年の時に帰ってきた。以来、独学で日本語を勉強しています。日本が懐かしい。普段ポルトガル語ばかりなので、このような機会が貴重」とこのイベントに感謝した。
 佐藤会長は「予想通り、非日系人の参加者の方が多い。日本への関心の高まりを反映している。先生役10人は皆ボランティア。交流のために参加してもらって本当にありがたい」と当日の感想を述べた。


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