新生児に大切な踵採血検査=普及率が全国不均一の現実

「踵採血の日」の6日、リオ州保健局が、同州では92市で踵採血が行われており、現在は54種の希少疾患を追跡中と発表。踵採血の重要性を強調したと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
踵採血は生後3~6日に新生児の踵からほんの少しの血液を採り、先天性の代謝異常などの有無を調べる検査で、新生児のマススクリーニング検査と呼ばれる。踵採血は、精神発達が遅れるフェニルケトン尿症など、生後すぐに食事療法を始めることで発症を防ぎ得る病気の発見、治療のために開発され、新たな検査法開発に伴い、対象疾患が増えている。(2)
同州は踵採血を92市で行っており、23年8月からは調査対象疾患を拡大。フェニルケトン尿症の他、尿素サイクル異常症、鎌状赤血球貧血、先天性甲状腺機能低下症、嚢胞性繊維症など計54の希少疾患発症の可能性の有無や治療、追跡を行っている。
同州保健局は17年以来、希少疾患の親や友人協会(Apae)と提携し、月に1・1万~1・2万件の検査を実施している。同州には保健所や産科病院などの検査登録機関が1074あり、23年は13・5万件、24年も11・3万件超の検査を行った。
同州Apaeはデジタル化にも努めており、23年8月からは検査結果をインターネットで確認できる。また、精密検査や治療が必要な場合は、ワッツアップで新生児の家族に連絡しているという。
ただし、23年8月30日付連邦議会広報(3)によれば、この検査の普及率は全国規模では不均一であるという問題を抱えている。ピアウイ州やペルナンブコ州では同検査を受けている出生児はわずか24%、アラゴアス州では40%前後に過ぎない。サンパウロ州とパラナ州ではこの割合は80%を超え、最も良い首都ブラジリアでは97%に上る。