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IPCA=5月は0・26%増で伸び鈍化=電気料金は15年間で177%上昇

2025年6月11日

電気料金は15年間の累積インフレ率を45%上回る(Foto: Tauan Alencar/MME)
電気料金は15年間の累積インフレ率を45%上回る(Foto: Tauan Alencar/MME)

 地理統計院(IBGE)が10日、5月の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前月比で0・26%増で、前月は0・43%増だった伸び率が0・17%ポイント(PP)低下したと発表した。年初来の累積上昇率は2・75%、直近12カ月間のインフレ率は5・32%となり、市場関係者らが予想していた5・40%増を下回ったと、同日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
 「食料品・飲料」部門の上昇率は0・17%に止まった。特に、13・52%減のトマトや4・00%減の米、3・98%減の鶏卵が価格下落を牽引。一方、電気料金は5月1日以降、100キロワット/時(kWh)あたり1・88レの追徴金を課す「黄旗」の適用を受け、3・62%上昇し、「住宅・居住」部門が1・19%増となる主要因となった。
 6月は電気料金に100kWhあたり4・46レの追徴金が課される「赤旗1」が適用されるため、家計への負担は一層増す見通しだ。
 こうした電気料金の上昇は一時的なものではなく、長期的な傾向としても顕著だ。電気料金は過去15年間で177%上昇。2010年は112レ/メガワット時(MWh)だったが、2024年は310レ/MWhへと大幅に値上がりした。これは同期間の累積インフレ率である122%増を45%も上回り、国民の経済的負担を着実に押し上げている。なお、この価格には料金調整が含まれているものの、配電・送電コストは加算されておらず、今後さらなる負担増が懸念される。(3)(4)
 こうした状況を受け、政府は2027年12月から電力市場を全面的に自由化する方針を示し、一般市民を含むすべての消費者が供給業者を選べる仕組みを導入する意向だ。現在、大規模産業向けの自由市場の電力価格は過去15年間で44%の上昇に止まり、規制市場の177%増と比べ、大幅に低い水準にある。
 市場規制下での価格高騰の背景には、長期契約の価格設定や特定エネルギー源の強制契約、政策決定、リスクの不適切な分配などがある。例えば、アマゾン川の支流であるマデイラ川の水力発電所の契約では、当初の落札価格こそ低かったものの、インフレ調整により、現在は自由市場より高くなっている。また、イタイプー水力発電所、アングラ原子力発電所、備蓄電力の価格も高額で、規制市場の消費者に転嫁されている。
 市場の自由化により、消費者は35%低い価格で電力を購入できる可能性がある一方、補助金と税負担の配分への懸念がある。現在の補助金総額は約160億レで、住宅消費者の料金の約14・88%を占める。この内、57億レは太陽光発電などの分散型発電への支援、54億レは再生可能エネルギーへの優遇措置に充てられている。市場の自由化が進む中、これらの負担の分配方法が課題となる。
 自由市場は1995年に大規模産業向けに導入され、1998年に取引が開始された。未払い問題で電力取引会議所(CCEE)が設立され、2022年には高圧消費者も対象に拡大された。
 自由市場の利点は供給業者の選択と価格交渉が可能なことだ。消費者は太陽光や風力・水力など、好みの電力源も選べるが、供給の安定性や価格変動リスクの管理も必要となる。
 業界専門家は自由化が経済効率向上に寄与すると評価する一方、規制市場に残る消費者への影響を慎重に評価し、料金上昇リスクに対する補償や管理策が必要だと指摘している。


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