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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(183)

2025年6月12日

 そこで少年期を送った梅田清(ブラジル生まれ)が、二〇〇七年、七十三歳の時に筆者にしてくれた話がある。
 ここには四百家族近くの邦人が居ったが、皆、戦勝派で、明確な敗戦派は一人だけだった。
 その敗戦派の老人は、息子夫婦と暮らしていた。夫婦が営むソルベッチ店は、老人のために誰も客として来なかった。やむを得ず店を売って、一家は何処かへ引っ越した。
 すると店主が変わったその日から、お客がワンサと来た!
 戦勝派が一人だけだったというのは極端な事例だが、当時、地方の邦人の集団地では、何処でも戦勝派が圧倒的に多数で敗戦派は少数であった。
 逆に、情報の多いサンパ...

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