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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(229)

2025年8月20日



この時、一部の者が反撃、乱闘になった。それを別の監房から見ていると、

「十五分ほどすると(殴られた人々が)犬が追われるように、広場に追い出されてきた。後頭部を割られ鮮血でシャツを染めている者、天日の下に昏倒する者、腰をかがめて渋面の者……直視できぬ光景であった」

という。(吉井碧水手記より)

騒動が鎮まると、全員に重労働が課せられた。その間、看守たちが監房に入り、外で重労働中の人々の金品を大量に持ち去った。(私物の持込みは許されていた)

が、これは押収ではなく略奪であった。奪われた現金は全額戻らず、物品が一部返されただけであった。

看守の中には、後で、近くに被害者...

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