在伯群馬県人文化協会創立80周年記念式典=日本との友情を深め、未来の世代へ=母県から慶祝団6人=総勢約150人で祝う

在伯群馬県人文化協会(磯白田ネウザ会長)創立80周年と群馬県サンパウロ州姉妹提携45周年を記念した式典が8月31日、サンパウロ市サウーデ区のブラジル鳥取県人会会館で開催された。母県から大塚康裕副知事、井下泰伸県議会議長ら慶祝訪問団6人が来伯し、式典には県人会員をはじめ、日伯両国の来賓や他県人会代表者など約150人が出席した。慶祝団一行は当初、前日の30日に着伯する予定だったが、米国ニューヨークでの航空会社トラブルにより、式典当日の午前に到着。その影響で式典は30分遅れの午前10時半から開始されたが問題なく進められ、一堂に会した人々は和やかな雰囲気の中で節目の年を祝った。
秋元ヴィニシウス氏と土屋エレナ氏の司会で進行した式典は、1986年の元留学生・瀬長イルカ氏の開会の辞で始まった。来賓紹介、日伯国歌斉唱、先亡者への黙とうに続いて、着物姿の磯会長があいさつ。今回の式典が県費留学生・技術研修生OB、OGと青年部が中心となって準備実行し、県連主催日本祭りをはじめ、日本舞踊や卓球など各種文化・スポーツ活動を継続していることを強調した。その上で、「今年は日伯修好130周年の記念の年でもあり、本日の祝典が感謝と団結、希望の響きとなり、ブラジルと日本の友情をさらに深め、未来の世代へと受けつがれていくことを願っております」と期待を込めた。
引き続き、大塚副知事が山本一太(いちた)知事の祝辞を代読。1945年に発足した在伯群馬県人文化協会が、移住者支援、会員相互の交流など地域に根ざした活動を展開してきたことに、歴代役員をはじめとするすべての会員への敬意を示した。また、80年8月に群馬県とサンパウロ州が姉妹提携を結んでから45年にわたって教育、文化、経済、行政、人的交流などの各方面で幅広く友好関係を築いてきたことにも言及。「今後も地理的な距離を超えて、互いの歴史や文化などを尊重しながら、この絆を次世代へと受け継ぎ、この関係がより一層深まっていくことを願っております」と述べた。
井下県議会議長、平松オスカル氏(中島マルシオ・サンパウロ州議代理)、清水享在サンパウロ日本国総領事、関谷ロベルト氏(羽藤ジェオルジ・サンパウロ市議代理)、JICAブラジル事務所の堀脇友美子次長、日系3団体(文協、援協、県連)を代表して県連の谷口ジョゼ会長がそれぞれ祝辞を述べ、林禎二駐ブラジル日本国大使のメッセージも披露された。
その後、群馬県および県議会から群馬県人文化協会への祝い金贈呈、記念品交換、サンパウロ州およびサンパウロ市から群馬県・県議会への表彰が行われ、県議会から日系3団体への寄付金も贈呈された。
群馬県功労者表彰では、群馬県人文化協会の歴代役員を務めた磯会長、矢島オタビオ氏、有賀マルセロ氏、土屋エレナ氏、有賀スエリ氏、新井英二氏の6人に大塚副知事からそれぞれ表彰状が手渡された。
引き続き、75歳以上の高齢者25人に対して表彰が行われ、この日出席した19人の名前が読み上げられた。高齢者を代表して、元会長の小渕民雄さん(84)が井下県議会議長から記念品を贈呈され、「母県より心温まる高齢者への記念品をいただき、感謝します。この式典に万歳をしたいと思います」と謝辞を述べた。
歴代会長の紹介がスクリーン上に投影され、初代(1965年)留学生の村井豊田美枝子さん、2024年度研修生の野島エステルさんの群馬県に対する感謝の言葉の後、功労者表彰を受けた新井英二氏が閉会の辞を述べて、式典はつつがなく幕を閉じた。
続けて行われた祝賀会では、磯会長、大塚副知事、井下県議会議長によるケーキカット、来賓を含めた鏡割り、井下県議会議長発声による乾杯が行われた。
昼食後は、磯会長や役員を中心とした群馬県人文化協会舞踊グループによる『湯もみ・草津節』『八木節』と、ダンス・グループ「パイ・デグア」によるパラー州伝統舞踊『カリンボー』が披露され、来場者の目を楽しませた。
家族とともに会場に足を運んだ本多きみ江さん(96)は、「今日は35年前に群馬県人会でやっていたコーラスの先生(石原正子氏)とも会うことができ、とても嬉しいです。今は会長をしている(磯白田)ネウザさんとは若い時、一緒にビアージェン(旅行)に行ったこともあり、懐かしい思い出です」と笑顔を見せていた。