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西宮市=『緑のテーブル2017 アンソロジー』=ユババレエ団の小原あや出演

2025年9月13日

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 ダンスカンパニー「アンサンブル・ゾネ」が27日(土)、28日(日)に、兵庫県西宮市フレンテホールで上演する舞踊公演『緑のテーブル2017 アンソロジー』に、ブラジルからユババレエ団の小原あやさん(53歳、2世)がゲスト出演することが分かった。この舞踏は、20世紀舞踊の金字塔『緑のテーブル』(クルト・ヨース作)を原点に、現代の視点から再構成された舞踊作品を集めた意欲的なアンソロジーで、戦争と人間の在り方を身体表現によって問いかける試みだ。

本公演で注目されるのが、サンパウロ州アリアンサの弓場農場を拠点とするユババレエ団から小原さんが特別出演することだ。今回は大団円の「祈りの踊り」に、小原さんを特別ゲストに迎え、一般公募参加者と共に祝祭的なシーンを作り上げる。小原さんは「私たちの先祖の祈りがこの踊りを通して、時や場所を超えて繋がっていることを痛感しています」との気持ちでいるという。

戦乱を超えて平和を希求する祈りの象徴を体現する役割であり、ブラジルからの訪日参加は、日伯双方の舞踊文化を結びつける象徴的な出来事となる。

 ユババレエ団は、西宮市名塩出身の弓場勇氏が創設した弓場農場が拠点。1961年に結成され、以後ブラジル各地で公演を重ねた実績を持つ。1978年には日本移民70周年記念の文化使節として日本公演を行うなど、長年にわたり舞踊を通じて日伯交流に貢献してきた。

 出演者は死神役に垣尾優、兵士役に川口隆夫、利得者役に竹ち代毬也、難民役に岡登志子、パルチザン役に川崎萌々子、母役に桑野聖子ら。声の出演には舞踏家の大野慶人を迎え、賛助出演にアレッサンドラ・プロスペリ(神戸女学院大学客員教授)、豊永洵子(武庫川女子大学講師)も加わる。西尾知子、三谷万葉、須藤宮子によるピアノ演奏が舞台を支える。

 公演と並行して28日まで関連展示が開催中だ。展示は三部構成で、ユババレエ団の歩みを紹介するパネルや映像もある。戦後80年、阪神・淡路大震災から30年という節目の年に、生命の尊さを舞踊を通して考える契機を提供する企画となる。詳細は公式サイト(www.ensemblesonne.com/)まで。

小原さんは今回、弓場勇の出身地名塩市で、弓場農場の歴史と3年前から彼女が居住しているセアラー州の伝統文化を紹介する講演会も行う予定。


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