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長崎県人会=平和講演・龍踊り指導講演=田上前長崎市長らが来伯

2025年9月19日

ブラジル長崎県人会(和田佐代子会長)主催の「平和講演・龍踊り指導講演」(無料)が、10月18日~21日の4日間にわたってサンパウロ市とサントス市で開催される。同講演には、長崎前市長の田上富久氏、長崎女子高校教頭で龍踊り部顧問の前田洋氏ら4人が来伯して、ブラジルに向けた平和アピールと龍踊り指導を行う。

同講演実行委員長の川添博氏によると、当初は龍踊り指導員のみの派遣依頼の予定だった。しかし、2012年の長崎県人会創立50周年記念式典で来伯した当時の長崎市長・田上氏が龍踊り用の「龍」の寄贈を表明したことから、長崎県人会では「ブラジルでの龍踊りの生みの親」(川添氏)である田上氏にも現状を見てもらうことを希望した。併せて、世界100ヶ国以上参加の長崎平和式典の開催や国連での演説、そしてノーベル平和賞受賞の被団協とも深いつながりがあり、「16年間市長職を務めた経験豊富な田上前市長の平和講演はまたとない絶好の機会」との思いから今回の講演を依頼。田上氏の快諾を得ての実施が、JICAにより承認されたという。

ちなみに、姉妹都市サントス市から依頼された路面電車の寄贈を約束したのも田上氏であり、大変な紆余曲折があったものの龍体が路面電車に乗せられた形でブラジルに運ばれ、その後の2016年に寄贈が実現した経緯がある。

川添氏は「今回の講演会は戦後80周年の集大成でもあり、今の混沌とした世界情勢の中、非力で何もできなくて、ほぞを嚙む思いの人も多数おられるでしょう。講演会に参加されることで惨禍を忘れない、まわりに伝えようと再確認するのも意味あることです。また、原爆の恐ろしさを知ってもらうとともに、青年たちにできる部分の運営や通訳などを行ってもらい、次世代育成につなげる意味もあります」と、開催意義を強調している。

講演の日程(予定)は次の通り。内容変更の可能性あり。出席数には限りがあり、先着順。申し込みは和田会長(電話11・99667・2088)まで。10月20日の文協での講演には学校生徒の参加歓迎。

【10月18日】

場所=長崎県人会ジャバクアラ会館(Av. Gen. Valdomiro de Lima, 241)

対象=長崎県人会員、龍踊り部員など約50人。

◎午後1時30分=田上前市長(現・長崎地域力研究会代表)講演。長崎から世界へ向けての平和アピールの実績(国連等)。姉妹都市交流。市長として成し遂げたこと、将来の展望、質疑応答など。

◎午後3時15分=前田氏講演。長崎女子高校について。龍踊りの現在における意義、長崎県やその他の地域での普及状況。踊りへの心構え、動きの注意点、楽器指導、質疑応答など。

◎午後5時15分=自由議題懇親会。

【10月19日】

場所=ジャパンハウス(共催、Av. Paulista, 52)

対象=一般ブラジル人など約130人。

◎午前11時=龍踊り、『長崎ばやし(盆踊り)』実演(ジャパンハウス前パウリスタ大通り)

◎午後1時=ジャパンハウス館長、長崎県人会長、在サンパウロ日本国総領事館関係者などのあいさつ後、田上前市長講演。「核兵器のない世界をめざして~ブラジル、長崎、平和」。世界の核兵器は?非核兵器地帯を作ったトラテロルコ条約。長崎を最後の被爆地に。日本被団協のノーベル平和賞の意味。カーニバルと平和活動などを含む。質疑応答。その後、長崎県特産品説明・試食、『長崎の鐘』合唱。

◎午後3時30分=前田氏講演。平和復興への祭りの貢献、質疑応答など。

【10月20日】

場所=ブラジル日本文化福祉協会貴賓室(Rua Sao Joaquim,381-2andar 文協、JICA協力)

対象=一般日系ブラジル人など約120人。

◎午後1時30分=伊藤薫氏講演「私の被爆体験と歩み(ポ語、45分)」。その後、長崎県特産品説明・試食、『長崎の鐘』合唱(伊藤氏)。

◎午後3時=田上前市長講演。質疑応答など。

◎午後4時40分=前田氏講演。龍踊り指導の要点、質疑応答など。

◎午後7時=龍踊り実技指導。

【10月21日】

サントス市平和講演(サントス市主導。詳細未定)。



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