日本語センター=わらび餅作りを授業に生かす=芦田ボランティアが指導
ブラジル日本語センター(矢野敬崇理事長)では10月5日(日)、「授業に生かせる!和菓子作り体験」と題して、ブラジルの食材を使ったわらび餅作りが行われた。
これはJICA派遣のボランティア芦田園美さんが行ってきた勉強会の一環で、今月末に2年間の派遣が終了し、日本へ帰国する芦田さんにとっては、最後の勉強会となった。
当日は朝9時半から約20名の日本語教師関係者らが集合。最初にわらび餅の歴史や日本の最新情報、栄養価や原価などについての説明があった。その後、芦田さんのデモを見てから、4人ずつ5つのグループに分かれて、タピオカ粉やPolvilho Doce、砂糖などを計量し、きな粉や黒蜜をまぶしたわらび餅と、最近日本で流行っているというココナッツわらび餅を作った。
実家が和菓子屋だという芦田さんは「お菓子は普通の料理とは異なり、計量通りに作ることがとても大切です。また料理というのは、日本語の初級者から上級者まで一緒に参加することができ、みんなが楽しめる日本語教育活動です」と説明した。
各グループで測量した具材を火にかけ、とろりとしたところでくず餅は出来上がり。黒糖と水も同量ずつ火にかけるとあっという間に黒蜜も完成した。ココナッツわらび餅は日本では高価だが、ブラジルではココナッツミルクもまぶすのに使われるCoco Raladoも手に入りやすい。同じように鍋で火にかけてもできるのだが、電子レンジで作る試みも指導された。参加者はわいわいと楽しみながら、2種類のわらび餅を作り、試食した。
インスタグラムで今回の勉強会を知ったというUSPの学生のシーザー・サントスさんは「日本でわらび餅を食べたが、その時より今日、自分で作った方が美味しく感じた。グループで優しく教えてもらい、とても良かった。日本のわらび餅がブラジルの材料ばかりで出来たのでとてもびっくりした。アレンジとして、きな粉の代わりにPaçoquinhaを使ったら面白いのではないだろうか」と率直な感想を述べた。
年に一度の和食作りの体験学習を控えているというイタペセリカ日本語学校の牧山純子校長は「ココナッツわらび餅を作ろうかと思いましたが、材料費を考えると、今のPaçoquinhaのアイディアはとても良いと思いました」と話し合いの意義を見出していた。
またExatus校のキムラはる奈先生は「この料理は『とろ~り』『ぐるぐる』『パラパラ』『もちもち』など、オノマトペの学習にも非常に役立つのではないか」と教師目線での感想を披露した。
今回の勉強会のために材料を研究し、たくさんのわらび餅を作ったという芦田さんは「子供の頃に見ていた実家の和菓子技術がこうしてブラジルで活かせるとは思ってもみませんでした。わらび餅を作ったことがない人が多く、やって本当に良かったです」と最後の勉強会が笑顔あふれる学びの場となったことを喜んでいた。