《ブラジル》INSS=22の連邦自治体にスト拡大=年金受給審査の遅延悪化の中

国立社会保障院(INSS)の職員達がストに入り、年金などの受給審査などの対応にも影響が出ていると28、29日付現地サイトが報じた。
全国社会保障職員連盟(Fenasps)によると、同連盟は5年間ストを回避してきたが、労働条件悪化が顕著で、スト決行を決めたという。ストが始まったのは23日で、28日からはさらに本格化。市民への対応が止まった支店などがある連邦自治体は同日中に22に達している。
職員達は給与調整や労働条件の改善などを要求しており、今週中にINSSとの会合も持たれる予定だが、ストは合意成立まで続くという。
スト参加状況はばらつきがあり、現在も開いている支店やポストもあるが、交渉が長引けば参加者がさらに増える。パラナ州では15市が支店を閉め、医師による診断書作成のみが機能中で、セルジッペ州では70%の職員がストに参加中だ。
INSSでは新たな職員の採用見送りによる人員不足なども深刻だ。1月現在の受給審査に要する平均日数は94日で、昨年4月の102日に次ぐ長期となっている。中には、トカンチンス州155日、セルジッペ州とパラー州143日など、5カ月前後待つ必要があるところも出ている。
昨年6月に出た法令での審査期間は、妊婦への給与30日、障害や事故で退職する場合や疾病手当て45日、遺族への恩給60日などとなっている。それ以前は全てが最大45日間だったが、実際にはそれ以上かかる事が多く、昨年1月は平均で108日、4月も102日かかっていた。
なお、公務員給与の調整を巡る交渉はどの省庁でも難航しており、28日には中銀職員も1日からのスト決行を決めた。給与調整などを求めるストは、21日に始まったミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ市の地下鉄職員ストや29日に始まったリオ市のバス職員ストのように、公共交通機関でも起きている。