《ブラジル》ゲデス経済相「ブラジルはインフレ地獄脱出」=IMFが再警告を発する中

ゲデス経済相が19日、サンパウロ州で行われたイベントで「ブラジルはインフレ地獄を脱出した」と発言し、ボルソナロ氏再選の暁には「経済相を続投する」と語ったと同日付現地サイトなどが報じた。
ゲデス氏の発言は、直近12カ月間の広範囲消費者物価指数(IPCA)が12・13%上昇し、インフレ高進を受けて繰り返される経済基本金利(Selic)の引き上げが、当初予想されていた4月以降も続いている中で行われた。
連邦政府や議会は、電気代の基本料金引き上げ抑制への動きや燃料費への商品流通サービス税(ICMS)課税率凍結などのインフレ抑制策が効果を発するか悪戦苦闘している最中だ。
また、この発言の数時間後にはゲデス氏自身が、今年のインフレの公式予想を6・5%から7・9%に引き上げる事と、来年の最低賃金の予想額引き上げを発表し、インフレはまだ底を打っていない事を窺わせている。
この発言の行われた日は、ウクライナ危機や中国のコロナ対策などで世界的に広がったインフレについて、国際通貨基金(IMF)が、「各国中銀がインフレ抑制に努めているが、景気後退なき抑制は困難」で「金融界のリーダーはより積極的に複数のインフレ圧力と取り組む必要が生じるだろう」と語った日でもある。
市場関係者の間からは、経済相の「インフレ地獄脱出」発言は、現政権がインフレ抑制に努め、効果も出ているように見せるためのものとか、現政権関係者は連日のように、実態とはかけ離れ、国民の歓心を買おうとしているとしか思えない言動を繰り返しているといった声が出ている。