《ブラジル》ペトロブラス=24日に総裁候補の審議=政府は週内就任を望むも

【既報関連】ペトロブラス社(PB)が21日、次期総裁に指名されたカイオ・パエス・デ・アンドラーデ氏の適格性審査を行うための委員会を24日に開催すると発表したと21、22日付現地紙、サイトが報じた。
ボルソナロ大統領がジョゼ・マウロ・コエーリョ総裁更迭と言い出した5月の段階から、アンドラーデ氏の名は出ていたが、適格性審査のための正式な書類は21日の午後、提出されたという。
連邦政府は5月の内に総裁交代をと考えていたが、アンドラーデ氏の名は正式な手続きを踏んでいなかったため、コエーリョ氏が引き続き総裁職を務めていた。だが、再度の値上げ後に生じた圧力には耐え切れず、20日に辞任した。
PBは総裁職に空白が生じないよう、生産部担当理事のフェルナンド・ボルジェス氏を暫定的に総裁に据えた。だが連邦政府が適格性審査のための書類を提出した事により、総裁交代への手続きが正式に動き出した。
PB総裁には同業界での経験など、複数の条件が要求される。連邦政府はコエーリョ氏の辞任後、今週中に次期総裁の任命をと望んでいたが、24日の審査後も、経営審議会の委員候補の審査や総会開催その他の手続きが必要なため、アンドラーデ氏の就任は少なくとも来週以降に持ち越される。
PBはテメル政権時代に導入した、原油の国際価格と為替の変動に応じて国内の価格を決めるという価格政策と種々の対策により赤字体質を抜け出した。だが、ボルソナロ大統領は燃料価格がインフレ高進を招いたとして、価格調整後に総裁を挿げ替えるという行為を繰り返している。
燃料価格高騰はウクライナ危機の影響もあり、商品流通サービス税(ICMS)に上限を設けるなどの対策では抑えきれないとの見方が強く、大統領はPBに責任を擦り付けているとの声もある。
ただ、現状の政財界の動きから、当面はPB民営化を睨んだ公社法改正は見送るようだ。