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《ブラジル》前教育相逮捕は政権に痛手=大統領夫妻との親密さ仇に=CPI開設なら選挙に大打撃か

2022年6月24日

ボルソナロ氏とリベイロ氏(Twitter)
ボルソナロ氏とリベイロ氏(Twitter)

 【既報関連】22日のミルトン・リベイロ前教育相逮捕は大統領選を間近に控えたボルソナロ大統領には大きな痛手となりそうだ。連邦議会では、基礎教育開発基金(Fnde)優遇疑惑に関する議会調査委員会(CPI)開設準備が進んでおり、大統領が阻止したがっている。リベイロ氏は大統領と懇意だったため、同氏が今後何を語るかと、関係者を不安にさせている。22、23日付現地紙、サイトが報じている。
 今回の教育省絡みのスキャンダルがボルソナロ氏にとって痛いのは、リベイロ氏がFnde優遇問題で、「これは大統領からの特別な命令だ」と語った録音が存在し、既に報じられていることだ。
 リベイロ氏は教育相だった昨年2月、福音派牧師のロビイストのジルマル・サントス、アリルトン・モウラの両容疑者も参加した同省内での市長会議の席でこの発言を行った。
 そうした事情もあり、連邦政府はリベイロ氏や牧師たちに対する捜査が進むことを恐れている。それは前記の発言だけでなく、ボルソナロ氏が同氏と懇意であることが広く知られているからだ。ボルソナロ氏は22日に「罪を犯したなら償わないと」と突き放すように語っているが、リベイロ氏が教育相を辞任する直前の3月24日には、「彼のためなら顔を火に突っ込む(火中の栗でも拾うの意)」と発言していた。
 リベイロ氏は大統領のミシェレ夫人と親しいことでも知られていた。それはミシェレ夫人が熱心な福音派で、リベイロ氏も福音派牧師だからでもある。同夫人はリベイロ氏が教育相を辞任する際、「神はリベイロ氏の正直さをきっと証明される」と語り、強く擁護していた。
 なお、上院ではランドルフ・ロドリゲス上議(レデ)が発起人となって集めたFnde疑惑に関するCPI開設への署名が野党中心に30人分集まった。同CPIは教育省が焦点で、選挙直前に開設されれば連邦政府が圧倒的に不利になるが、ロドリゴ・パシェコ上院議長は「政党リーダーたちと話し合って問題がなければ設置されるだろう」と語った。
 同議長はボルソナロ氏が開設を願っているペトロブラスの燃料費値上げに関するCPIにははっきりと難色を示しており、対照的な対応となっている。
 連邦政府はCPI設置を止めるため、「上議たちに議員手当を払う」「既に連警で捜査が進んでいるのでCPIを作っても意味はないと説得する」ことなどを考えているという。
 リベイロ氏の弁護士はミシェレ大統領夫人の弁護士でもあるダビエル・ビアルスキ氏で、大統領が同氏を介してリベイロ氏の発言を制限しようとしているとも言われている。


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