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トラック運転手リーダーがスト号令=27日? 全面は困難とも

2022年6月24日

農産物を積んだトラックの列(Divulgacao)
農産物を積んだトラックの列(Divulgacao)

 ボルソナロ大統領の支持者で過去のトラックストの際にリーダー的役割を果たしたマルコス・アントニオ・ペレイラ・ゴメス氏(通称ゼー・トロヴァン)が20日、「27日に全国規模のトラックストを!」と呼びかけ、波紋を投げかけている。だが運転手達の間では全面的なスト決行は困難との見方が広がっていると20~23日付現地サイトが報じた。
 ディーゼル油の価格上昇がトラック運転手を悩ませているのは周知の事実で、「ペトロブラスは大統領に対するクーデターを試みている」「燃料価格の高騰はペトロブラスの責任だ」と主張し、「同社に抗議するための全国ストを」と呼びかけるビデオはSNSで流された。だが、事はトロヴァン氏の思惑通りには運ばないようだ。
 その一例は、21日にディーゼル油の価格調整に関する総会を開いたミナス州の燃料および石油派生品輸送会社連合(Sindtanque-MG)だ。同連合は総会後、当面ストは行わないが、連邦政府や連邦議会がペトロブラスの価格政策に対して明確な立場を打ち出すよう圧力をかけていく意向だという声明を出した。
 農産物の輸送を担当する運転手達の協会によると、ディーゼル油は53・11%値上がりした。だが運転手に支払われる輸送費は3・9%しか上がっていないという。また、アルゼンチンでは燃料価格高騰に抗議するトラックストも起きている。
 ブラジルでもトロヴァン氏やブラジル自動車協会会長のワラセ・ランディン氏(通称ショロン)がスト決行を示唆しているが、テメル政権下の2018年5月に全国規模のストを指揮したリーダー達は、全国ストは不可能ではないが決行は困難と見ているという。
 同年のトラックストは全国の輸送網を10日間麻痺させ、国内総生産(GDP)の成長予測が3・11%下落という結果を招いた。今年は選挙年であるため、ストによる経済の混乱や生活の困窮はボルソナロ氏を後押しするとは考え難いとも見ているようだ。


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