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《ブラジル》教育省CPIは「選挙後に実施」へ=ボルソナロには命拾いか?

2022年7月7日

5日の上院(Jefferson Rudy/Agencia Senado)
5日の上院(Jefferson Rudy/Agencia Senado)

 ロドリゴ・パシェコ上院議長が5日、上院で開設が望まれていた教育省の国立教育促進基金(Fnde)の不正使用疑惑に関する議会調査委員会(CPI)に関し、「開設は選挙終了後に」との見解を示した。5、6日付現地紙、サイトが報じている。
 このことはパシェコ議長が上院の各党リーダーと行ったオンライン会議で行った発言で明らかになった。同議長はこのCPIに関する見解読み上げは今週中にも行う意向だが、「調査がはじまるとすれば選挙が終わった10月から」と語った。
 会議では主に与党側から、選挙キャンペーン期間中にCPIがかぶれば、特定の政治勢力が不利になり、不公正さが生まれる懸念があるとの意見が出た。
 今回の疑惑は、福音派のロビイストが教育省に働きかけ、福音派の市長の市へのFnde優遇を斡旋したことやそれに際して賄賂を要求したことなどが報じられて表面化した。
 逮捕されたミウトン・リベイロ前教育相がボルソナロ大統領と親密な関係であることや、大統領が前教育相に捜査に関する情報を流した可能性があることで、福音派政治家や大統領に不利になると予想されていた。
 パシェコ議長の見解に対し、ジャン・ポール・ピラテス上議(労働者党・PT)は「野党の権利を無視した」と批判した。今回のCPI開設要請には、野党勢力だけで31人の署名が集まっていた。
 発起人のランドルフ・ロドリゲス上議(レデ)は最高裁にかけあい、選挙期間中であってもCPIの開設を義務付けさせるよう訴える構えを見せた。だが、パシェコ議長は「最高裁に教育省のCPIの開設を義務付けることはできない」として、議会の権限を強く主張した。ランドルフ上議は支持率1位のルーラ元大統領の選挙参謀のひとりだ。
 CPIが選挙後になりそうなことは、リベイロ容疑者が逮捕される2週間ほど前に連邦警察による捜査の可能性を本人に伝えた疑惑を持たれているボルソナロ大統領には特に有利なものとなる。パシェコ議長は、昨年のコロナCPI開設時もギリギリまで判断を遅らせるなど、政権寄りの振る舞いが時として見られる。


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