《ブラジル》天然ガス車が74%増加=ガソリン価格の高騰を嫌い

国家交通局(Senatran)が27日、今年上半期に天然ガス仕様に切り替えた車は6万7487台で、2020年上半期の3万8747台と比べて74%増えたと発表したと同日付G1サイトなどが報じた。
ガソリン車から天然ガス車への切り替えは燃料費高騰と共に急増しており、2021年の上半期は20年同期比で86・65%増えていた。
ただ、天然ガス車はガソリン車や電気自動車よりも安全管理への注意が必要だ。一例は26日にリオ市北部のガソリンスタンドで起きた爆発事故だ。
爆発は天然ガスの充填中に起き、車外に出てトランクルームを開けた運転手とその妻が火傷をし、病院で手当を受けたが、夫は重体で27日未明に死亡した。妻は比較的軽傷で同日中に退院した。
充填を行っていたガソリンスタンドの店員は爆風に煽られただけで済んだが、事故車のシリンダーは錆びついており、使用に適した状態ではなかったという。その後の捜査では、事故車に搭載されていたシリンダーは昨年の点検時のものとは違い、盗難車に使われていたもので、所有者はシリンダーを交換した際に問題のある品を装着された事を知らずに運転していた可能性があるという。
車検などを行う全国検査機関協会のアキレス・ピザネリ会長によると、天然ガス車での事故は定期検査を受けていないなど、規制に沿わない状況の中で起きているという。
また、運転手にはガス充填中はエンジンや照明、音響などを切って車外に出、トランクルームなどを開けておく事、スタンドの係員は充填開始前にポンプ接地装置を接続する、規定の圧力を守るなどの注意が求められる。
サンパウロ州で昨年行われた調査によると、天然ガス車の78%が2年以上定期点検を受けていないなどの問題を抱えていたという。