site.title

《ブラジル》ルーラが他候補の出馬断念を交渉中=PROSの内乱などで不明も=リオ州知事選問題は泥沼化

2022年8月5日

3日のPROSの発表式(Twitter)
3日のPROSの発表式(Twitter)

 大統領選を一次投票で決めるべく、ルーラ元大統領(労働者党・PT)がアンドレ・ジャノーネス氏(アヴァンテ)やペドロ・マルサル氏(社会秩序共和党・PROS)の出馬断念を狙い、交渉を行っている。また、リオ州知事選でのブラジル社会党(PSB)との連立問題が泥沼化している。3、4日付現地紙、サイトが報じている。
 ジャノーネス氏は大統領選の世論調査で現在、4位争いを行い、マルサル氏は6位につけている。共に支持率は1〜2%ほどで大きくはない。だが、支持率が40%を超え、有効投票数での50%超えが近いルーラ氏には、その少ない数字をいかに着実に奪うかが決め手となってくる。
 とりわけ、その動向が不透明なのがマルサル氏だ。3日、PROSは大統領選でルーラ氏を支持すると発表した。これはルーラ氏の副候補のジェラウド・アウキミン氏を交えた交渉で決められたもので、記者会見まで行われた。
 だが、それが無効とされる可能性が生じている。それは、PROS内部の権力争いに由来する。ルーラ氏の支持を決めたのは同党創立者のエウリペデス・ジュニオル氏だ。同氏は3月から同党党首になったマルクス・オランダ氏と主導権を巡って争っており、7月31日に高等裁(STJ)がエウリペデス氏に権限があると認めた。
 だが、3日夜、STJのアントニオ・カルロス・フェレイラ判事が急遽判断を覆し、オランダ氏に権限があるとの判断を出した。元来、自己啓発指導者のマルサル氏の大統領選出馬を支援していたのはオランダ氏だったため、この決定でマルサル氏の出馬を強行する可能性が生じている。マルサル氏自身も出馬を強く望んでいる。
 だが、その直後にオランダ氏がSTJ判事の肉親に賄賂を払ったことをほのめかす録音をフォーリャ紙が報道。行方が読めなくなっている。
 一方、ジャノーネス氏に関しては、ルーラ氏が4日に本人と会って直接交渉を行っている。ジャノーネス氏は38歳の若手下議で、零細政党のアヴァンテ所属と実績は少ないが、ネットを軸にボルソナロ政権への手厳しい批判で支持者を増やし、世論調査では大手政党の民主運動(MDB)や社会民主党(PSDB)などの支持を受けるシモーネ・テベテ氏(MDB)と互角かそれ以上と健闘している。
 ジャノーネス氏自身もこの会合以前から出馬を取り下げる可能性を示唆しており、交渉が決裂しなければルーラ氏支持に回ることが予想される。
 他方、昨日付でも報じた、PTのリオ州支部がマルセロ・フレイショ氏(PSB)の支援から撤退する件で一波乱が起きている。PSBの全国委員会は3日、PTがフレイショ氏の上議候補から降りることを望んでいるのに拒み続けているアレサンドロ・モロン下議に対し、選挙期間中に支援金を出さないと発表した。この処分を受け、モロン氏がどういう行動に出るか、ルーラ氏が当初の予定通りにフレイショ氏の支持が継続できるか、注目されている。


《ブラジル》経済相「歳出上限は撤回可能」 国民支援のために破った=支援申し込みは過去最高前の記事 《ブラジル》経済相「歳出上限は撤回可能」 国民支援のために破った=支援申し込みは過去最高《ブラジル》自動車販売が2・2%増加=今年の累計は11・8%減次の記事《ブラジル》自動車販売が2・2%増加=今年の累計は11・8%減
Loading...